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 Diary 2001・1月14日(SUN.)

ダンサー・イン・
ザ・ダーク

 京都ピカデリーにラース・フォン・トリア監督『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を観に行く。話題作とあって若者でごったがえしており、劇場の半分は埋まっている。『愛のコリーダ 2000』『BROTHER』の予告編を観て、うおおおおお観たいいいいい! と唸ってから、本編を観る。

 最近の映画の中では、『初恋のきた道』に次いで、泣いた泣いた、という声を聞く映画だが、私はどうだったのか。もちろん、泣いた。が、私はたいていの映画では泣いているので、これはあまり意味をなさない質問だ。では面白かったのか、といえば、これはまあ面白かった。そして感動したのか、と訊かれれば、これは感動するような映画じゃあないだろ、と答えるだろう。

 しかし、終映後に若者が携帯電話で、いかにも感動したぜ! てな事をたぶん友人に話しているのを聞いたりして、なんだかモヤモヤするので、ババさんと会って話をしようとオパールに向かう。

 途中でブックファーストに寄り、大西巨人の幻の処女長編『精神の氷点』を購入する。約半世紀ぶりに、みすず書房から復刊したのだ。新刊のコーナーに平積みにされていて驚く。

 オパールに行くとクラタニくんとタケダくんがいる。直にババさんもやってきたので、「『ダンサー・イン・ザ・ダーク』って感動するような映画じゃないですよねえ」と言えば、「そうです。ボクはかなり笑いました。ラストシーンは爆笑!」と答えてくれたので、ホッとする。

 移民、女性(シングルマザー)、障害者、と典型的なマイノリティーである主人公が、みなの〈やさしさ〉に包まれながら排除・消去されていく様が、幻想的なタッチで描かれる。私はこれをグローバリズム批判の映画とみた。とはいえ、個人的にはユーモアが足りなくてそんなに好きな映画ではない、かな。底意地の悪さだけは横溢しているのだが。とか言っていると、ババさん曰く「ラース・フォン・トリアはキチガイだからいいんです」。なるほど。それなら、いいだろう。

 クラタニくんと、ババさんも交えて、「ソウルサバイバーズ再生計画」について話し合う。色々とアイデアは出たが、さてどうなる事やら。刮目して待て!?

小川顕太郎 Original:2001-Jan-9;