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Magazine Review 1999・8月8日(SUN.)

キラー・コンドーム」の
パンフレット

 俗に「外国人、特にアメリカ人は日本人に比べユーモアのセンスがある」という説があるが、この説のネタモトは政治・経済に続いて「お笑い」の分野でも日本支配を目論むところのアメリカの陰謀に違いない、と思っている。普通の日本人ならスベることを恐れてジョークを飛ばせないところでもアメリカ人は平気で笑かそうとするが、アレは「ユーモアのセンスがある」のではなくて単に「笑いにゆるい」だけなのであって、アメリカであればくだらんジョークでも腹をかかえて笑ってもらえるからついついくだらんギャグをかましてしまっているだけなのではなかろうか。

 アメリカのコメディ映画などを見に行くと、日本人の観客は静まりかえっているところでもアメリカ人とおぼしき方々が腹を抱えてお笑いになっているのを見かけることがあるが、お前ら、笑いにゆるすぎるぜ、と毒づいた経験をお持ちの方なら上記の説は納得していただけるだろう。あははははは、アホかコイツはアレは英語を解しアメリカ文化を知るものなら充分におかしいのだ日本人は英語を解さずアメリカ文化にも造詣が深くないから笑えないだけなのだ、と思われた方もおられましょうが、万国に共通すると思われるすべって転んだ式のプリミティブなギャグでもウハウハ笑っているぢゃあないですか。

 長い前フリでしたが、『キラー・コンドーム』はドイツ映画なんだけど、ギャグのつるべうちで笑いにゆるいアメリカ人には絶大なる自信を持ってオススメするが、日本人、なかでも笑いに厳しい関西人には「ここでこんな演出をするからスベるのだ、ここはこうすべきなのだ」とか考える良い頭の体操になると思うのでやっぱりオススメ。

「キラー・コンドーム」のパンフimage「キラー・コンドーム」のパンフimage いや、ホントに言いたいのはこんなことではなくて。この映画のパンフレットがなんともアタマが痛いもんなんですよ。昨今、どうもヘンテコなパンフレットをよく見かけるのだが、得てしてそういうパンフにはたいしたことが書いてなくしかも文字組みがド素人くさいものが多い。ヴィジュアル重視、ということなんだろうが、そこまでテキストをないがしろにすることもなかろうと思うのだ。『キラー・コンドーム』のパンフもひどいもんです。わざわざこんなコンドームの箱の形にしたものだから、テキストのスペースが小さく、3 ポイント〜 4 ポイント(ちなみにポイントというのは文字の大きさを表す単位。3 ポイント〜 4 ポイントは、とにかく小さい)の文字なんて誰が読むのだ。こんなアホなパンフがあっても良いとは思うのだけど、テキストはもう少し大事にしていただきたい、と思う今日この頃。こんな手間のかかったパンフを 800 円で売るより簡単に作って 300 円くらいで売れば良いのにと思うのはボクだけでしょうか。

BABA Original: 1999-Aug-08;

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