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Movie Review 1999・8月1日(SUN.)

アドレナリン・ドライブ」
 矢口史靖監督・脚本・編集

 私はこの人の映画を観たのは初めてであり、またどういう人なのか全然知らないので、彼がなぜこのような、どうでもいい映画を撮ったのかさっぱり分からない。つまらないとか失敗作だとか言っている訳ではない。ただほんとに観ても観なくてもいい映画であり、観た瞬間から観たことを忘れるような映画なのだ。ストーリー的にも、偶然が偶然を呼びそれに偶然が重なるという昔からあるドタバタ喜劇の典型で新味も工夫もないし、役者も可もなく不可もなくで印象が薄いし、映像・音楽ともに適度に洗練されていて面白みにかける。

 だいいち『アドレナリンドライブ』という題名でいながら全くアドレナリンが出るシーンがない。これならこのあいだ観た『お受験』のほうが、あれもどうでもいい映画だったが、永ちゃんの受験会場へと向かう疾走シーンという、「アドレナリンドライブ」なシーンがあっただけ上だ。

 なんだろう、この微温的な感じは。もしかしてこの監督、器用なだけで才能がないのかも。

オガケン
Original: 1999-Aug-01;

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