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 Movie Review 2004・11月19日(Fri.)

80デイズ

 何でもアリの世界一周アドベンチャーが始まる!  ババーン! ジャッキー・チェン主演アメリカ映画といえば、たいていアクションの撮り方がへた過ぎ! せっかくのジャッキーアクションが台無しになりがちなところ、今回ジャッキー製作総指揮に加わってスタント振り付けももちろん担当、監督フランク・コラチはアダム・サンドラー主演『ウォーターボーイ』『ウェディング・シンガー』など、ゆるいコメディを監督してきた人ですから、アクションはほぼ全面的にジャッキーが演出したのではないかしら? と愚考。総製作費120億円、ディズニーによるジャッキーアクション映画となっております。

 さすがのジャッキーも、やっぱり寄る年波とアメリカの保険会社には勝てず、かつての命がけアクションは存在せず、あるいは街中での追っかけもあっさり気味で物足りず、おまけに! なぜエンドクレジットにNG集がないのか! やっぱりディズニー、全然わかってないですね。ジャッキー主演で、巨大な中国市場に進出してウハウハ、との目論見でしょうが、企画が安易過ぎですよね?

 ね? って、誰に聞いているのかよくわかりませんが、以下、ネタバレ含みます。

 ジャッキーは「80日間で世界一周する」という賭けをしたイギリス人発明家に同行する、フランス人助手という役柄で、旅の途中に立ち寄った中国で、というかジャッキーは中国に行くのが目的だったのですが、そこで再会したのは……じゃーん! ○○○○(ネタバレ自粛)! 素晴らしすぎる…。しかも○○○○は黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)として登場(リー・リンチェイではありません)、ジャッキー+○○○○でくり広げられる熱い友情の一大カンフーアクション、これが「総製作費120億円のディズニー大作」であることをしばし忘れさせ、私は茫然と感動したのでした。二人とも、立派になりおって…。ってよくわかりませんね。

 それはともかくアメリカ映画はネタ切れ末期症状、またも過去のヒット作のリメイク、元ネタは『80日間世界一周』(1956年・マイケル・アンダーソン監督)、私も大昔にテレヴィで見たきりであまりおぼえておりません。が、世界一周ご一行が日本にも来て、鎌倉の大仏を見物するのが面白かった、とか、シナトラ、ディートリッヒやキートンがチョイ役で出ているとか、って見たのは幼児期なので誰がシナトラかディートリッヒかキートンか要領を得ず、それはともかくそういう名作を現代の技術でリメイクすればさぞ面白かろうと思いますけど、オリジナルは169分、しかし今回121分、たった二時間で世界一周するのは無理でしょう。

「世界一周」とゆうても出発はイギリス、立ち寄るのはフランス→トルコ→インド→中国→アメリカ、…たったの6ヵ国じゃん! アメリカ人にとって「世界」とは、それくらいなんでしょうかね。彼らアメリカ人の世界の狭さに私は茫然と戦慄したのである。

 閑話休題、たった2時間で世界一周は無理があるし、また、オリジナルが作られた1956年と比べると「世界一周」のありがたみは薄れているので、それならば、徹底的にしつこく時代考証して、ジュール・ベルヌの原作の頃・19世紀末ヴィクトリア朝時代の雰囲気をもっとリアルに出して、当時「世界一周」がいかに難しかったか? を感じさせるべきでは? とか思いました。

 ジャッキーの相棒役はスティーブ・クーガン、よく知りません。『シャンハイ・ヌーン』オーウェン・ウィルソンよりはマシですが、ジャッキーの相棒役をつとめるには少々影が薄く、やっぱり『ラッシュアワー』クリス・タッカーくらいアクが強く、ピンでも笑わせてくれる役者さんがよかったかも? と一人ごちました。

 ともかく、オリジナル同様、今回もチョイ役ゲストスターあれこれ登場、某アカデミー賞女優がヴィクトリア女王に扮してポロッともらす一言には笑っちゃいました。

 賭けをする主人公が発明家という設定に変えられていて、ディズニー映画伝統の「珍発明もの」の雰囲気もちょっとあって、というか『スチームボーイ』っぽいシーンもあり、ご家族そろってのご鑑賞にピッタリかと存じます。オススメ。

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2004-Nov-17