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 Movie Review 2002・11月19日(TUE.)

天国の口、
終わりの楽園。

 最近はハリウッドで『大いなる遺産』など、そこそこの大作も撮っておられる、メキシコ出身アルフォンソ・キュアロン監督が、故郷へ帰って撮った、ブルジョアのガキ二人と一人の人妻が、「天国の口」なるビーチを目指す、ひと夏のドライブを綴るロードムーヴィーでございます。

 映画はいきなり『ハロルドとモード〜少年は虹を渡る』のポスターが貼られた部屋でのエッチシーンで始まり、あちらこちらにエロ満載です。なんでもキュアロン監督は『ハリー・ポッター』三作目の監督をオファーされているそうで、うーむハリー・ポッター、ついに性に目覚めて魔法のようなエロ映画になるのでしょうか? ってワクワクですね。

 そんな余談はおいといて、エッチシーンで始まるこの映画、主人公少年二人が色キチガイなのはいいとして、人妻も色キチガイ、きっと監督さんも色キチガイなのでございましょう、うーむ、と、エロがいっぱい、『青い体験』みたいなソフトエロ映画ですが、名撮影監督エマヌエル・ルベツキー(『赤い薔薇ソースの伝説』)が撮った風光明媚なメキシコの風景が楽しめますし、声がブツッと途切れてナレーションがかぶさるゴダール風の手法も披露、微妙に社会批判もありそうで、…って、メキシコはよく知らないのでわかりませんが、メキシコでは大ヒットを記録したといいますから、メキシコに詳しい方が見れば大変な面白さなのでしょう、という具合に誰もがお楽しみいただける小品佳作に仕上がったのではないでしょうか?

 まあ、そんなことはどうでもよく、実際に友達同士という少年二人、ガエル・ガルシア・ベルナルとディエゴ・ルナの仲の良さが画面にあふれかえり、イキイキとした表情をとらえたという点で『ハリー・ポッター』三作目の監督抜擢なんでしょうね。知らん。

 滅多に映画でお目にかかれないメキシコの映画、ということで朝日シネマでの上映は終わりましたがオススメでございます。

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Nov-19;

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