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 Movie Review 2002・11月16日(SAT.)

ザ・リング

公式サイト: http://www.thering.jp/

 高橋洋脚本/中田秀夫監督の超絶傑作『リング』を、ハリウッドが完全リメイク。

 さて、ハリウッド・ドリームワークスの製作者はオリジナル『リング』を見て、「こんな恐い映画見たことない!」とビックリ、ビジネスチャンスを見出します。オリジナルに英語字幕をつけて公開するわけがない。「アメリカ人は字幕付きの日本映画なんか見ない。欧米人出演で作り直した方が効率よく儲かる!」とリメイクに乗り出したのであった。ババーン!

 不毛なリメイク監督に抜擢されたのが、ゴア・ヴァービンスキだ! ババーン!…おや、ヴァービンスキをご存じない? 何を隠そう、『マウス・ハント』、『ザ・メキシカン』(ブラッド・ピット+ジュリア・ロバーツ共演の豪華退屈作)の監督さんです。ヴァービンスキが監督を引き受けたとき、製作者はさぞほくそ笑んだことでしょう。「しめしめ、必ずやオリジナルを忠実になぞって映画化してくれるに違いない」。オリジナルより多少つまらなくなったとしても、アメリカ人はオリジナル版は見ないでしょうから、それなりに恐がってくれるだろう、との目論見(推測)

 さてヴァービンスキの『ザ・リング』、見事なリメイク作です。…「リメイク」というより「模写」と言った方がよいでしょう。ホントにアメリカ人俳優に置き換えただけです。「貞子」が「サマラ」になってるのには笑いました。とにかく「儲かればなんでもいい」、ドリームワークスの守銭奴ぶりに唖然としたのでした。

「呪いのビデオ」も、ホントそのまんま。しかし、さすがのヴァービンスキも「ボクちゃん、オリジナリティ出したいでちゅ!」とがんばっちゃったのか、いくつかのカットを加えちゃいました。椅子がクルクル回ったり、ハシゴがパターンと倒れるカット。それがまたなんとも笑える。微笑ましい呪いのビデオって…。うーむ。

 いやはや、忠実に模倣しながら、なぜにオリジナルだけに異様な緊張感が生まれているのか? 微妙な動き、微妙な編集の違いでここまでかけ離れた映画が出来上がるとは。中田秀夫監督は偉大です。

 日本の恐怖映画がハリウッドで認められた! と喜ぶ方もありそうですが、単に金儲けのネタにされただけではないか、と思うのですね。何らかのリスペクトがあるなら、ここまでの模倣はやらない、と私は思う。リスペクトするならば、オリジナルを超えようと格闘するものでしょう?

 恐くてオリジナル『リング』が見られない方にオススメ。でもオリジナルがやっぱりオススメ。

☆☆(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Nov-16;

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