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 Movie Review 2002・12月18日(WED.)

ハリー・ポッターと
秘密の部屋

 大ベストセラーの映画化にして、大ヒット映画の続編です。今回も大ヒットしているようです。しかし、みなさん『ハリー・ポッター』好きですねー。

 どうしてそんなにお好きなのでしょう? 主人公ハリー少年といえば、高名な魔法使いの息子で有名人、校長先生の大のお気に入り、仲良くしている女の子もたいそう可愛い、と、共感できるところなぞ一つもないではないですか。

 しかもハリー少年、「魔法」を使うのですよ。この世には魔法など存在しないのに。「魔法」なんて、みなトリックがあるに決まっているのに。「お前ら、まるっとお見通し!」と仲間由紀恵さんに暴いていただきたいところです。

 というか、ここで描かれている「魔法」は、なーんだ。よく見れば、ほとんどコンピュータ・グラフィックスじゃあないですか。「魔法だよ! ほら魔法だよ!」と喜ばれている方には、気の毒ですが、やはり誰かが指摘しておかなければなりません。って、コンピュータ・グラフィックスにも、色々マジックがあるんでしょうけど。いや、それはそれとして、私が声を大にして言いたいのは、コンピュータ・グラフィックスの進歩によって、「魔法」の映像化が至極簡便になったわけですけれども、そういう便利さと引き換えに失ったものがありやしないか? センス・オブ・ワンダーというか、「うわぉ! どうやって撮ったんやろ?」という驚きが無くなっているんじゃないですか? もう一度、「魔法を映像化するとはどういうことか?」をよく考えた方がいいんじゃないですか? ということです。

 とはいえ、全然ダメかというとそうでもなく、こういうメガヒット狙い大作の常として、セットが滅多矢鱈と豪華でカッコいいです。大道具・小道具さんの雇用を確保するために、無理矢理セットにお金をかけておられるのですね。ハリウッドは偉いなあ、と思いました。

 前作では、ハリー・ポッター少年のライバル、いちいち子憎たらしいドラコ君に共感を抱き、「ドラコ君最高!」と快哉を叫んだものですが、今回はあんまり活躍しないのが残念です。ぜひ、次回作はドラコ君にもっと頑張っていただいて、ハリー・ポッターをいじめまくって登校拒否に追い込んでもらいたいです。また、冒頭めちゃめちゃブサイクで可愛い、根っこが人型になっている“マンドラゴラ”を丁寧に紹介し、…ってあんまり活躍しないんですけど、これは次回作の伏線かしら? 楽しみです。次は監督が(やっと!)替わるそうですので、少し期待できるかも。期待しませんが。魔法を信じるロマンチックな方にバチグンのオススメ。ってか、長いし。

☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Dec-18;

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