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Movie Review 1月18日(THU.)

13デイズ

公式サイト: http://www.13days-jp.com/

『13 ウォリアーズ』『13 F』に続く 13 シリーズ第三弾! ウソ。

 ケヴィン・コスナー主演・製作である。ケヴィン・コスナーは『ウォーターワールド』でほどよく脱力させられて以来、主演作が来れば必ず見に行くお気に入りの俳優なのであった。今回も大統領特別補佐官なのに、そこらへんにいそうな中小企業のビジネスマンといった風情で楽しませてくれるぞ。

 1962 年、アメリカ偵察機がキューバで建設中の核ミサイル基地を撮影、俄然、核戦争の危機が高まった、いわゆる「キューバ危機」の 13 日間を描く。

 背広姿のオッサンたちの、ああでもない、こうでもないと延々議論が続く。色々サスペンスを盛り上げようとしているが、大方の観客はキューバ危機がいかに解決されたか既に知っているので、なかなか眠いぞ。

 とにかく大変な状況なのに、妙に危機感が薄いのだ。これはロジャー・ドナルドソン監督(『逃亡者』とか)の演出がポテチンだから、だけではなく、結局アメリカ人は、核戦争をさほど怖がっていないのではないか? とか思ったり。

 軍部はちょっとしたことを口実に全面戦争に踏み出そうとし、ケネディ兄弟はなんとかそれを押さえ込む、という図式。ソビエト・共産国との対決に及び腰であったがために、産軍複合体によって暗殺された、という『JFK』のケネディ像を踏襲するものだ。ケネディ礼讃、民主党万歳映画なのであった。同じケヴィン・コスナーが主演なのが興味深い。そしてこの映画が、アメリカ大統領選の年に封切られたのは決して偶然ではない。1991 年公開『JFK』は、翌年のクリントン民主党政権誕生を後押ししたが、今回は及ばなかったようで。民主党ゴア様が大統領選で敗北したのは、『13 デイズ』がつまらなかったからだ、とつぶやいてみたりして。

 どうも、ピーコさんは『シュリ』といい、この映画といい、プロパガンダ性の強い映画がお好きなようだ。何なんだ。ともかく、背広のオッサン好きにはオススメだ。

BABA Original: 2001-Jan-18;

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