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Movie Review 2000・6月15日(THU.)

トリックベイビー

 ヴィンセント・ギャロ女優デビュー!? と言うふれこみで、しかしこのコピーはあまりにも騙しではないのか? と思いつつも実は楽しみに待っていたのですよこの映画。

 しかしどのように受け止めたものか困ってしまう一面もあり、どう紹介したらよいものか…・。要するに、現代アメリカ版ヘンゼルとグレーテルな訳ですよ。お菓子の家で繰り広げられる夢のような惨劇。無理矢理にこじつけてめでたしめでたしの結末。見る角度によってあまりにも印象が変わってしまうのではないでしょうか。で、お菓子の家の魔女がヴィンセント・ギャロというわけですね。

 ヴィンセント・ギャロの女優ぶりは、思ったより、けばくなく、ポスターなんかのイメージだともっとえげつない感じでやってるのかと思えば意外なくらいナチュラルメイク。どこまで、この映画に本気で取り組んでいたかは怪しいとは思いつつもなかなか様になってましたよ。

 で、主演の二人、ヘンゼルとグレーテルはと言えば、現代アメリカらしく、はしにも棒にも引っかからない破滅的なぐらいの不良娘。一人は売春強盗を繰り返すまだかわいげがあるスレカラシ。しかしもう一人は幼少時のトラウマが原因で、次々と人殺しを繰り返すシリアルキラー。救いようがないです、ホントに。

 あっさりとバカ映画としてみれば、ギャロの女優ぶりも笑えると言えば笑えるし、オチの付け方も納め方も納得できるのですけれど、しかしあまりにいろんな事がリアルで、僕は入り込んで笑うことは出来ませんでした。いやな事件も続いていることだし。

 そういう意味では不幸な作品かもしれない。ブラックなコメディとしてみれば、及第点の上げられる作品だとは思うんですけどね。是非、皆さんの意見も聞きたい。観て下さい。そうだ、あまりにリアルなロッキー・ホラー・ショーと言う捉え方もあるな。要するにおとぎ話になりきれなかったおとぎ話と言うことになってしまうのでしょうか。いろんな人に見てもらいたいと思いました。6 月 14 日よりみなみ会館でレイトロードショーです。

kawakita Original: 2000-Jun-15;

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