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2005年08月19日(Fri)

星になった少年 Shining Boy and Little Randy ☆☆☆★★

Text by BABA

 僕は、夢に生きる。日本初のゾウ使いの少年・哲夢と子象のランディ、そして家族の物語。実話から生まれた感動の大作。ババーン!

 柳楽優弥が〜、タイの象学校で〜〜、出会った〜〜。と、思わず下条アトムのモノマネしたくなる「世界ウルルン滞在記」風、タイ象学校でのアレコレ面白く、さてここで問題です。象を仕込む時、最初にすることは何でしょう? お書きください! …みたいな話も興味深いのですけど、ぜんたいとして、象さんの魅力が存分に描かれているかというと少々こころもとなくもったいない感じなのでした。

 監督は河毛俊作、フジテレヴィのディレクターさんだそうで、微妙にテレヴィぽい感じ、どこがどうと問われてもうまく言えませんがあえて言うと、物語の骨組みがテレヴィ的では? と思うのです。

 主人公・柳楽くんは学校で「あいつ、臭い」と仲間はずれ、母親ともうまくコミュニケーションとれず、そういうところからも動物、わけても象さんに夢中になっていった…という話の骨組み、「なぜ、象なのか?」についてもラストで一ヶの解答が与えられます。ここで観客・私に滂沱と落涙させてしかるべきところ、ところが妙に唐突、うーーん、と、うなりました。

 それらは「貧乏で金が欲しかったから殺人を犯した」みたいな? 俗耳に入りやすい、お茶の間的な解釈だと思うのです。象に夢中になるのに、「象を好きになりやすい環境」とか、理由が要るのでしょうか?

 いや、別によいのですけど、劇場の大スクリーンで見るからには、そういう理にかなう解釈でなく、よくわからないけれどもあらがいがたく象に惹かれてしまうみたいな? 情動を実感させて欲しい、と一人ごちました。

 象といえば、クリント・イーストウッド扮するハリウッド映画監督が、「象を撃つ」ことに執着する『ホワイトハンター・ブラックハート』という傑作がありましたが、映像だけで、象に対する映画監督の妄執を実感・納得させてしまうものでした。

 この『星になった少年』、人を夢中にさせてしまう象の偉大さ、見事さ、美しさが足りないのでは…? と思ったわけです。『Shining Boy and Little Randy』と副題がついていますが、肝心のリトル・ランディのキャラ立ちが弱いな? とか。よくわかりませんが。

 まあ、そんなことはどうでもよくて、音楽は坂本龍一、テーマ曲にのせて象さんがお鼻ぶらぶら行進するシーンはすこぶる気色よく、さすが世界の坂本龍一である、うむ。と一人ごちたのでした。また、柳楽くんもしっかり象使いのトレーニングを積んだとおぼしく、グーでございます。ご家族そろってのご鑑賞にオススメです。

☆☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

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