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 Diary 1999・9月19日(SUN.)

雑誌乱読

 いまひとつパっとしない日曜日だ。お客さんがいないわけではないのだが、ひとりひとりの滞店時間が長くて、店にそこそこの活気があるわりには注文がないので厨房の中はヒマ。仕方ないので雑誌を読む。

 まずはネコの買ってきた『サイゾー』。『ワイアード日本版』の残党が作った雑誌だが、今にも潰れそうな感がプンプンしている。爆笑問題の『日本原論』と宮台/宮崎対談を毎号楽しみにしているのだけれど、今回はどちらもいまひとつ。特集もあまり読む気がしなくてザッと目を通しただけで放り投げる。

 次に手にとったのはタイラの買ってきた『エレキング』。私がサラテクで批判した雑誌だ。知らないまに版型が変わって、普通の音楽雑誌みたいになっている。ミュージシャンのインタビューとかは昔からそれほど興味が持てないので、結局デスクガイドとニュースを中心に読むことになる。『TEK9』の新作が出ている。これは聴きたいね、といった所で次の雑誌。

 次はババさんの買ってきた『パソコン批評』。なんでも公正な批評誌にするために一切の広告をとらない、という『暮らしの手帳』みたいな気骨のある雑誌らしい。ページを開くといきなり岩谷宏がエッセイを書いている。ロックはメディアだ、というコンセプトのもと渋谷陽一とともにロック批評の流れを変えたものの、ロックに見切りをつけてコンピューターの世界に移ってはや 20 年ちかく。『現代思想』に書いたり、コンピューターについての本を出したりしていたのは知っていたけれど、ちゃんとは読んでいなかった。久しぶりに読む彼の文章は、相変わらずのイワタニ節でなんだか嬉しかった。ところでこの雑誌、専門用語が多くて(他のコンピューター雑誌に較べれば少ないだろうが)よく分からん。面白そうな所ですぐ専門用語につまずく。インターフェイスってなんや? そうだ、ババさんに訊ねようっと。

 次はこれもまたババさんの買ってきた『広告批評』。ベネトンの特集。うわあ、ベネトンの本社って凄いわ。森に囲まれた広大な敷地に、昔のベネチアの商人の別荘を移築したもので、フレスコ画とかがあってメチャ格好いい。こりゃ勝てんよなあ。

 で、お次はまたまたババさんの買ってきた『噂の真相』に手を出す。おおっ森光子って 79 歳なのか。凄い。こりゃベネトンの本社より凄いわ…で、フト目を上げると、ババさんがカウンターでパソコンを叩いている。あれ、ババさん来てたんですか。全然気付かなかった。今日はほんと暇で、お客さんは結構いるんですがね、やる事がないんですよお、なあネコ。

「にゃに言ってるんですか! ボクとタイラさんが必死に働いている間、ずーっと雑誌ばかり読んでたくせに! ふんにゃあ!!」

 あれ? そうだったのか。ゴメンゴメン。

小川顕太郎 Original:2000-Sep-21;