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 Diary 2005年5月9日(Mon.)

GANGSTA BOOGIE

 ゴールデンウィークも終はり、ドーンといきなり暇になつてしまつた。ま、今週末は忙しい、といふ未確認情報も入つてきてゐる事だから、それはそれで期待するとしても、日記の方はズーッと書くことがなくて困つてをります。で、いつもの通り最近よく聴いてゐる音楽の話でもしてお茶を濁さうかと思ふのですが、となればやはり、コレしかないだらう! 『GANGSTA BOOGIE』565 FAMILIA。妄走族のリーダー565による、出所後初のソロアルバムです。

 私は日本のラップといふのは、どーにも長い間ダメだつたんですね。キングギドラも最初はダメだつたし。思ふにそれは本場のラップを聴く耳で、日本のやつを聴いてゐたからです。フロウ主体で聴く、といふか。さうすると、どーにも日本のアーティストはフロウが弱い、声も弱い。聴くに堪えない、となる訳です。リリックにしても、あの時点(キングギドラの出現)で韻踏革命が行はれたのは分かりますが、当時の気持ちとしては「韻を踏めばイイッてもんぢやないだらう」といふのが正直なところでした。向かうの歌はヒップホップに限らずロック・ポップス・ソウルなんかでも韻は普通に踏んでゐる訳で(もちろん踏んでない奴もありますが)、それに較べて日本の歌は韻を踏む伝統なんてないんだし、そこらへんも猿マネ感が漂つて、なんとなくイヤだつたのです。

 が、最近の日本のラップを聴くに、とうとう日本でもラップが根付いてしまつたのか、と感慨を深めてしまひます。見事に換骨奪胎、内面化して、日本オリジナルなラップミュージックになつてゐる。MS CRUや般若、そしてこの565 FAMILIAなど。すでに「韻を踏む」といふ行為を自然に内面化した形で吐き出されるヤンキーの啖呵、とでも言ふか、これぞ日本のギャングスタ・ラップだ! と、興奮さへ覚えます。特に般若や565は愛嬌があつて素晴らしい。私が考へるに、ギャングスタ・ラップとは愛嬌ですから。

 てな訳でこの『GANGSTA BOOGIE』565 FAMILIA。チョーオススメです。

小川顕太郎 Original: 2005-May-13;
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