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 Diary 2005年5月6日(Fri.)

バビロン

 タカハシくんから手紙がきた。先日、悩み事があると深夜に電話をかけてきたタカハシくんであつたが、あの電話のおかげで気持ちがスッキリしたといふ。確かに、悩みといふのは他人に話したり文章に書いたりすると客観化され、気持ちや頭が整理されてスッキリするものだつたりする。ので、かやうに手紙を書くのはよい事だらうから、できれば続けて下さい。

 で、その手紙の中に、六本木ヒルズに行つたけれど気持ちが悪かつた、みたいな事が書いてあつたのだけれど、私の周りで六本木ヒルズに行つた人間は、大抵似たやうな感想を語るのであつた。実を言ふと、私にはこの感覚が何となく分かるやうな気がする。むろん私は六本木ヒルズに行つた事はないし、雑誌などのメディアを通しての情報しかないのだけれど、メディア情報はほぼ六本木ヒルズ礼賛一色なのにも関はらず、なんだか凄く気持ちが悪いのである。それは思ふにバビロン感が凄くあるからだ。爛熟と退廃を極め、悪徳と汚辱と浮薄と卑賤の都市、バビロン。東京をバビロンに比す言説は昔からあつたが、今まで私はあまりピンときてゐなかつた。それが六本木ヒルズ以降、かなりの実感を伴つて、「ああ、バビロン、バビローン。バーンダウンザバビロン」と感じるやうになつたのである。現在の東京は、本当にバビロンになりつつあるのかもしれない。これはどういふ事かといふと、もうすぐ天罰が下る、といふ事である。バビロンは神の怒りに触れ、焼き尽くされなくてはならないのだ。

 ま、それはともかく、タカハシくんは相変はらず「テラリーがオパールの話題の中心にゐるのでは!」とライバル心を露はにしたり、もうひとりのライバル・ハッシーについて、最近話題になつてゐないけれどもう来なくなつたんですか、と際どい所を突いてきてゐる。うむ、全て君の想像する通りだ、タカハシくん。バビロンにて、しつかり修行を続けてくれ。

小川顕太郎 Original: 2005-May-10;