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 Diary 2005年3月30日(Wed.)

シャッポーで和む

 コータローくん来店。シャッポーに初お目見えである。

「ほう、マペット人形ですな」と呟いたコータローくんは、早速シャッポーの中に手を入れ、色々と動かし始めた。意外と、真剣そのものの眼差しである。どう? 何か新しい動きができる?

「ふうむ、一寸待つて下さいよ……。キター━━━━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!!」

 なんだ、なんだコータローくんまで! もう、2ちゃんねる風はいい加減にしてよ。

「まァ、まァ。さァ、…慌てるシャッポー!! ***、***、***!」ほう、これは、なかなかいい動きだ。うん、ではこの動きはコータローくんの名前で登録しておきます。

「***、***、***!」

 はいはい。

 このやうに、シャッポーは新人ながらなかなかの働きをみせてゐる。生まれながらに接客能力に長けてゐるやうだ。みんなシャッポーをみれば中に手を入れたくなるし、動かしてみたくなる。そして自らが作り出した動きを眺め、微笑み、和んでゐる。さらに他人が作り出した動きに感心し、自らも何かオリジナルな動きをシャッポーにつけ加へてやらうとする。それによつて益々シャッポーは表情豊かになつていくのだ。シャッポーには、人と人との間の壁を溶かし、和やかで親密な空気を産み出す何かがある。

 実を言へば私にも、産み出したオリジナルな動きがある。それは「キョンシー」「バスケットケース」「エクソシスト」と言つたものだが、初期の頃に産み出したものであり、すでに古色蒼然たる感は拭へない。しかし、ひとつだけ、最近産み出した取つて置きの動きがあるのだ。それを、コータローくんに披露する事にした。

 まず、シャッポーの裾を持ち、裏側に捲り返す。頭が隠れるくらゐまで捲ると、シャッポーは丸い物体となり、アンテナだけが飛び出してゐる形となる。それをクルクルと回しながら、陽気にかう叫ぶ。

「ユーポー!」

「な、な、なにー!!! ユーポー、だとー!!」

 と、突如コータローくんは怒鳴り始め、散々暴れた後にカウンターをひつくり返して出て行つてしまつた。

 …うーむ、逆効果だつたやうだ。やはり、接客は難しい。な、シャッポー。

小川顕太郎 Original: 2005-Apr-3;