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 Diary 2005年7月7日(Thu.)

フィットネスクラブ

 実を言ふと、先日からフィットネスクラブとやらに通つてゐるのであつた。近年、著しく体力の衰へを感じるやうになつた。昨年は腰痛を3回もやつたし、ここ数年は夏バテも激しい。さうなると、しんどくて本を読んだり音楽を聴いたり、ビデオを観たりするのも億劫になる。むろん、映画館なんかとてもぢやないが行けない。こんな事ではいけない、何をするにもまづ体力が必要だ! と、ついに重い腰をあげる事にしたのであつた。

 むろん、時の加勢といふのもある。前々から、何か身体を動かしたい、といふ想ひはあつたのだが、どうせやるならなんらかの技が身に付くもの、文化や伝統を背負つてゐるもの、たとへば空手とか柔道とか拳法とか太極拳、ヨガ、なんかがいいなァ、などと考へてゐたのだ。が、さういふものはどうしても時間が合はない。で、どうしやうかなー、などと思つてゐるうちにドンドンと時間は流れ、ますます体力は衰へていつて、腰は痛いは、何ごとも億劫だはで、これはマズいかも、と危機感を抱き始めた頃に『海辺のカフカ』を読んだのである。この作品中、カフカ君は午前中はジムで身体を鍛へ、午後は図書館で本を読んでゐるのだ。世界で一番タフな15歳になる下準備として。うむ、考へた事もなかつたけれど、マシーンで身体を鍛へるといふのも案外いいかもしれない。時間も融通がきくし。あの合理性の塊のやうなマシンをガチャガチャやるのは恐ろしく退屈に思へるけれど、さういふのがかへつてストイックでいいかもしれない。合理性の果ての何もない場所で、孤独に世界と対峙する。そこから、何か新しい哲学が生まれるかもしれない。いや、そんなことはないだらうけどさ。

 と、いふ訳で、今の私は全身が筋肉痛です。

小川顕太郎 Original: 2005-Jul-11;
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