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 Diary 2005年1月29日(Sat.)

スワン・プロジェクト

 可能涼介から電話。スワン・プロジェクトの話をする。この話は以前にすでに聞いたやうな気もするし、それを日記に書いたやうな気もするのだけれど、調べてみたらどうも書いてゐないやうなので、書いてみる。

 柄谷行人と故・中上健次が、今の若手で誰が一番イイか、といふ話をしてゐた時、ふたりの間で「それはスガヒデミだ」といふ事になつたのださうだ。あいつは自分のことを醜いアヒルの子だと思つてゐるやうだが実は白鳥なんだ、なんとかあいつを本来の姿にしてやらう、と二人で大いに盛り上がつたさうなのだが、その後、はかばかしい成果もあがらぬうちに、中上健次は死んでしまつた。が、柄谷行人は諦めずに色々と画策を続け、遂に何年か前に、スガヒデミを近大の教授に就けることに成功した。

 スガヒデミは大学中退なので、普通ならあり得ないことだ。スガヒデミ大学教授就任の報を聞いて、「スワン・プロジェクト成功や!」と柄谷行人は嬉しさうに叫んだといふ。「これがスワン・プロジェクト。柄谷さんが成功させた数少ないプロジェクトのひとつだよ」と可能。……この話、すでに書いてゐないかなァ。

 ところで、大学中退で大学教授就任と言へば、北野武である。この春から、東京芸大の教授になる。教授就任にあたつて、やはり大学中退ではまずいといふ事で、明治大学は武に特別卒業認定証を発行したさうだ。うーん、なんか凄い。スガヒデミにしても北野武にしても、実力は申し分ないんだけど、それだけでは大学教授にはなれない、といふ事ですね(といふか、大学教授になるのに、実力はあまり関係ない。て、いふかー、“実力”の定義が違ふな、多分)。武は大学では映画を教へるやうだけれど、どうやら武の大学教授就任には蓮實が動いたやうである。確かに、蓮實ゼミからは黒沢清や周防正行などの優秀な映画人が育つてゐる。北野ゼミからも、優秀な映画人が出る、かもしれない。ま、なんにせよ早く武の新作が観たいです。

 Tくんの綽名が決定した。「テラリー」といふ。すでに「テリー」だの「ラリー」だの「ラリラリ」だのと変形され始めてゐるが、とりあへずは「テラリー」といふ事で、みなさんよろしくお願ひいたします。

小川顕太郎 Original: 2005-Feb-1;