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 Diary 2005年8月12日(Fri.)

テルビスK・オン・ステージ

 テルビスKが帰つてきた! …しかし、テルビスKとは? それはウメドンの友人であり、グレイの大ファンの男。エルビス・プレスリーを知らず、よつてグレイのコンサートでボーカルのテルがエルビスの格好を真似て「テルビス!」と言つて出てきた時に、正に“テルビス”といふアーティストが存在すると信じ込んでしまひ、オパールまで来て「洋楽に詳しいのなら、“テルビス”といふアーティストについて教へて下さい」と頼み、我々を混乱の渦に落とした男の事である。我々が“テルビスK”と命名した。

 テルビスKの基本的教養のなさは驚異的で、下手したらタカハシくんを凌ぐ。彼はジェームズ・ディーンもマリリン・モンローも知らない。アメリカに留学してゐたのに。大ファンだと豪語するビートルズに関しても、メンバーの名前は知らない。しかもメンバーの人数を5人だと思つてゐた(スチュの事か? まさか!)。『イマジン』も知らなかつたし、ミック・ジャガーはクルマの事だと思つてゐた。このやうに、前回の来店時に数々の衝撃を我々に与へて去つていつたそのテルビスが、お盆だといふ事で、さらに大きくなつて帰つてきたのである!!! ドドーン!!!

「お久しぶりです」

 お、大きくなつたなー。二周りくらゐ、肥えたんぢやないか?

「さうですか? 実家でも言はれたんですけど、自分ではよく分かんないです。」

 そんな“ドラえもん”みたいな体型してよく言ふよ。体脂肪とか計つてる? やばいんぢやない?

「会社の健康診断で計りました。35%です」

 35! そ…それは、真剣にやばいぢやないか。立派な成人病だ。

「えー、全然どうッて事ないですけど」

 体重はいくらなん?

「…それは、秘密です。恥ずかしいし…」

 体脂肪言つておいて、体重恥ずかしがつてる場合ぢやないだらう!

「さうですか? 体脂肪なんて聞いても、あまりピンとこないでせう?」

 ピンとくるーッてば!

 …と、いふ具合に、最初から飛ばしてゐたテルビスK。他にも、テラリーの事をテキーラと呼んだり、ジェームズ・ディーンの写真を見せたら、それを忌野清志郎の若い頃だと勘違ひしたり、ヒップホップはロックから進化した(ロック演奏のできない黒人たちが歌(ラップ?)を前面に出すやうにした)! といふ衝撃の珍説を聞かせてくれたりと、正にテルビスK・オン・ステージであつた。

 テルビスK、明日も来いよ!

小川顕太郎 Original: 2005-Aug-16;