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 Diary 2002・9月18日(WED.)

アメリカ不信

 うーん、今月号の雑誌「文藝春秋」は、なんと特集『アメリカ不信』だ! 何号か前の『中国不信』に続く特集。さすが「文藝春秋」、商売が上手い、って感じ。さっそく購入して、パラパラとページをめくってみました。

 ……なんじゃこりゃ? 特集巻頭の石原慎太郎と福田和也の対談『もうアメリカには頼るまい』。いきなりこれ、羊頭狗肉やん。確かにアメリカのダメな所を二人であげつらっているけれども、このようにアメリカ不信が募って、結果として日本と中国がくっついてアメリカに対抗するようになれば最悪だ、という風に話を「反中」にもっていってる。「アメリカにうまく働きかけながら中国を牽制し、アメリカをより悪くない(レッサー・イーブル)パートナーとしてどう扱っていくかということを考えていかなければいけないと思うのです」ですって。さらに、世間での「石原慎太郎は反米」というイメージは誤解だ、と二人で言い合っているんだから驚きだ。うーん、慎太郎も首相になることを見越して、「反米」イメージを払拭したいようです。あとは、まあ日本でも今話題になっているハーバート・ビックス著『昭和天皇』の批判的解読とか、『カリスマ主婦マーサの転落』あたりが面白かったかな。あ、そうそう、町山智浩の『最低最悪アメリカ TV 事情』はかなり笑えた。且つ、有益。これで謎がひとつ解けた。

 その謎というのは、映画『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』で、なんでオジー・オズボーン一家が唐突に出てくるのか? というもの。実は、今アメリカでは、オジー・オズボーン一家の日常をただ撮っただけのテレビ番組『オズボーンズ』が大人気らしいのだ。ケーブル TV 始まって以来の視聴率だという。

 町山智浩によると、去年までは視聴者参加型の過激な番組が流行っていたのだが、あの 911 以来、そういった「市井の人々の異常な体験を見せる」番組にリアリティがなくなり(なぜならあの 911 を越えるドラマ・異常な体験などそうそうあり得ないから)、「有名人の退屈な生活を見せる」という番組がうまれた。それが『オズボーンズ』なのだ。ブラック・サバスのボーカリストであり、元祖悪魔主義ロッカーのオジーも、家庭ではただの夫でありお父さん、というのが凄く受けているらしい。アメリカ人って、アホやなあ…。っていうか、そんなネタ分からないよ、アメリカ人以外。あー、謎がひとつ解けてすっきりした。

小川顕太郎 Original:2002-Sep-20;