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Movie Review 1999・12月24日(FRI.)

セカンド・チャンス

 むう。またおもろい映画を見てしまった。清水美砂、鈴木砂羽、倍賞美津子という 20 代、30 代、40 代の三人の女優さんをそれぞれ主演にした三話からなるオムニバス映画。やっぱりオムニバスっていいね! つまんなくっても 30 分ほどガマンしてれば次の話に移るから。

 事情はよく知らないのだが、エステサロンのダイアナっつうのが製作にからんでいるようで、「なんか最近エステブームで儲かってしゃあないスね」「それぢゃあ余った金で映画でも作って観客を洗脳して、もっと儲けましょうよ」「よし、それぢゃあエステのターゲットになりそうな女性を主人公にした映画にしよう」「オムニバスにして三世代登場させて、各層にアピールするってのはナイスなアイデアでげすな」…ってなところで話がまとまって作られたような気がする。勝手なコト言ってますけど。

 清水美砂主演の第一話は、昔つきあってた男が余所の若い娘と結婚するってんで、ムカムカしてるウェディング・ドレスのコーディネーターで、案の定、客でやってきたのが昔の男とそのフィアンセ…と映画みたいな展開。って映画ですけど。で、清水美砂はプロにあるまじきツッケンドンさで応対、さてその結末は…という話。アホかお前ら。

 第二話は、鈴木砂羽が女性の運転代行人を演じる。運転代行人ってのは、なんか車で飲み会に行ったんで、誰か代わりに運転して家まで送ってくれないかなあ、という商売らしい。みんな知ってた? で、運転を頼んだのが、昔、不倫してた男で…って、こんなんばっかりかい! しかし、この元不倫男ってのが驚くべきコトに、日本が誇るオッサン俳優、橋爪功だ。全然似合っていないところが新鮮。『ナイト・オン・ザ・プラネット』風に、車中で痛いドラマが展開。やれやれ。

 第三話は…って、さすがに途中で帰ったろか? と思ったが、コレは良かった。柄本明は売れない漫才師。営業まわりの結婚式の司会を頼まれた先が、昔捨てた家族の結婚式だった、って同工異曲なんだけど、柄本明の漫才がいい。笑いを取る能力のある役者が、意識的に笑えないギャグをかますという屈折した笑いがボク好み。チラリと第一、二話のキャラクターが登場するのも、『トリコロール』とか『パルプ・フィクション』みたいでホノボノします。

 つうわけで、昔ダメになった色恋も「セカンド・チャンス」があるんだぜ、そういうときのためにエステに通って容色を保つ、または、アップさせときましょう、ということだな。この映画をなんでか知らんが見てしまった人は、続けて『ファイト・クラブ』を見るのがいいと思います。

BABA Original: 1999-Dec-24;

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