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 Movie Review 2003・6月27日(FRI.)

メラニーは行く

 傑作『キューティ・ブロンド』の続編が楽しみなリース・ウィザースプーン扮するは、ニューヨークの新進ファッションデザイナー。コレクションを成功させた夜に、市長の息子の男前からプロポーズされ、まさに人生の絶頂、順風満帆なメラニーは行く! ってどこに行くのかというと、よんどころない事情があって、アメリカ南部アラバマへ帰郷するのであった。ババーン!

 原題は“Sweet Home Alabama”、ご存知レイナード・スキナードのヒット曲から取られており、主題歌的に使われております。そういえば『8 Mile』でエミネムがクルマを修理しながら替え歌を歌っておりましたね。

 そんなことはどうでもよく、『キューティ・ブロンド』的な、高飛車、唯我独尊、ゴーイング・マイ・ウェイ、ブランド大好き主人公がアラバマで大暴れかー? …と思いきや、7 年ぶりに田舎に帰ってみれば「やっぱり田舎もいいよね?」という按配で、ニューヨークで磨き上げたセンスを摩耗させていくお話でございます。

「南部も捨てたもんじゃないぞキャンペーン映画」(何?)で、『キューティ・ブロンド』で当たり役を得て、キャラを確立したウィザースプーンが、こんな普通の映画に出るとは意外。と、一人ごちていたところ、IMDbトリヴィアを見ますと、当初メラニー役にはシャリーズ・セロンが予定されており、俳優組合のストライキで予定がずれて出演できなくなり、代わりにウィザースプーンがキャスティングされたそうです。もしシャリーズ・セロンが主演していたらと思えば、なるほど納得のヌルいストーリーでございます。よくわかりませんが。

 前半部の、南部を馬鹿にしたネタ、例えば、ウィザースプーンが久しぶりに帰郷するので実家に電話したところ、母親が電話に出て曰く「あら、メラニー、久しぶりじゃない! でも、こんな遅くに電話してくるなんて。もう夜の 9 時半よ!」…とか、なかなか笑かしていただきました。が、「ファッションブランドに詳しい男はみんなゲイ」というネタはいかにも『キューティ・ブロンド』からのイタダキ、もうちょっとよく練って欲しい、というか、そもそも監督は『アンナと王様』のアンディ・テナントなので、毒のあるコメディを期待するのは無理な話なのかも知れません。どうでもいいですが。

 ともかく、アラバマ州で毎年行われているという、南北戦争を再現するお祭りの模様も楽しめて、「なんか南部もいいかも!」という気分になれますし、ウィザースプーンがイマイチ活躍しない欲求不満は、きっと『キューティ・ブロンド 2』で解消されるに違いないので、今のうちにモヤモヤを貯めておくためにもオススメです。

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2003-Jun-27;

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