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 Movie Review 2003・1月21日(TUE.)

ウォーク・トゥ・
リメンバー

 典型的というか、ヒネリなしのラヴロマンスでございまして、彼氏ランドンは悪ガキグループのガキ大将、彼女ジェイミーは真面目・天文部・演劇部・ボランティア大好き・年中同じセーターを着ているダサダサ少女というベタベタの設定です。同じ高校に通いながらも別の世界で暮らしていた二人が出会うのは、ランドン君が、ちょっとした障害事件を起こした罰に校長先生から「掃除をしろ、演劇を手伝え、障害児に勉強を教えろ」と命じられたことから。そんなこんなで、ランドンとジェイミーはお互いに惹かれあってチュッチュしたりするのはよいのですが……なんとジェイミーは○○○だったのだ! ババーン! …さて、ここで問題です。「○○○」に入る言葉は?

  1. サタン
  2. 白血病

 正解は見てのお楽しみですが、典型的というかヒネリなしにもほどがあるのですけれど、しかしこれがなかなかどうして結構良いのは、まあね、なんだかんだと申しましてもラヴロマンスというものは主演者カップルが魅力的であれば否応なしに成立するもので、主演のシェーン・ウエスト、マンディ・ムーアは好感度バチグン、加えて脇役のピーター・コヨーテ、ダリル・ハンナも好演、なかなかの佳作に仕上がっているから不思議なものです。って純愛にもほどがある! とツッコミを入れつつ泣いちゃった。テヘ。

 不良少年ランドンが掃除も真面目にやり、障害児に「相似三角形」を教え、演劇では主役をはり、天体望遠鏡も自作し、彼女の父親(牧師)にも交際の許可を直接求め、自分の父親とも和解、さらに医学部進学をめざす…という具合に、どんどんパンクな気分を喪失してシステムに取り込まれていく様は、「お前、優等生に変わり過ぎ!」と文句のひとつも言いたくなりますけれど、「アメリカン不良少年を更生させる特効薬は、女だ!」という一つの真理を見事に描き出しているのであった。

 そんなことはどうでもよく、デート・ムーヴィーとしては近来稀に見る純愛ぶりで、それがこの作品の美徳と言えましょう。ちょっとヒネくれたカップルにもオススメです。

☆☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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