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 Movie Review 2003・2月18日(TUE.)

ボーン・
アイデンティティ

 嵐の地中海、漂流していたマット・デイモン、漁船に救出され。一命とりとめたものの、名前などの自分に関する記憶を無くしておりまして、お尻に埋め込まれていた口座番号を頼りにチューリッヒの貸金庫へ行ってみれば、そこに預けてあったのは大金と自分の顔写真が貼られたパスポート。「はてさて、オレの名前は…ジェイソン・ボーンか……おや、もう一通パスポートが、おや、そこには別の名が、あらあら、色んな国のパスポートがあって、一体全体私は何者?」。ジェイソン・ボーン(仮名)の、組織に命を狙われつつの「自分探し」の冒険が始まる! ババーン!

 まず、観客はマット・デイモンがジミー大西であることをとっくに了解しているので、マット・デイモンの自分探しの旅がはなはだ詰まらないものであるのはいたしかたないにしても、勘のいい観客なら、開巻 15 分くらいで大体の展開が読めてしまうのではないでしょうか。

 というのも、記憶喪失の特殊工作員というのは『ロング・キス・グッドナイト』『フー・アム・アイ』など、何度も使われたネタであり、新味に欠けるところは脚本家の頭の良さでカヴァーしなければならないのにですね、例えばマット・デイモンは『ラン・ローラ・ラン』のフランカ・ボテンテと逃げ回るのですけれど、なぜに彼女が、一緒に逃げ回らなければならないのか釈然としないままに逃げ回るものですからプーンとどうでもいい感が漂ってくるのには困りますよね。

 本来、話の面白さでひっぱり、せめて、フランカ・ボテンテも実は特殊工作員であった、みたいなどんでん返しのひとつも欲しいところですが、それもなく、ひたすらマット・デイモンのクールさがカッコいいだけ、アクションシーンもキビキビとよい感じ、パリを始めヨーロッパ各地にロケを敢行、撮影や編集もムウドたっぷり、ですけど、所詮マット・デイモン=ジミー大西なものですから、やはり、もうちょっと話をヒネっていただかないと。

 とはいえ、監督は『go』(窪塚洋介主演に非ず)のダグ・リーマン、独特の映像スタイル、なかなかカッコいいシーン満載でオススメです。が、もうちょっと面白い話にならんもんか。っていうか、『トリプル X』後では、普通の「スパイ映画」は阿呆らしく見えてしまうのであった。

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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