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 Movie Review 2002・5月20日(TUE.)

ローラーボール

 1975 年公開の近未来 SF 『ローラーボール』を、『ダイ・ハード』『クリフ・ハンガー』のジョン・マクティアナン監督が堂々のリメイク。私の記憶が確かならば 75 年版は、2018 年の近未来、貧困も犯罪も根絶された超管理社会に人々は“ローラーボール”っちゅうですね、ローラーゲームとアメフトを足したようなスポーツを観戦して暴力衝動を満足させております。トップ選手ジェームズ・カーンがビッグブラザー管理人の思惑を超える人気が出てしもてどうこう、というお話しでした。

 なんでまたこんなんリメイクするんかな? と疑問を呈さざるを得ないんですけど、マクティアナンの前作『トーマス・クラウン・アフェア』のオリジナル『華麗なる賭け』も今回も、ともにノーマン・ジュイソン監督作でして、マクティアナン、ノーマン・ジュイソンのリメイクに執念を燃やしているようです。

 ノーマン・ジュイソンといえば、『夜の大走査線』『ジーザス・クライスト・スーパースター』『屋根の上のバイオリン弾き』が代表作のアメリカン左翼リヴェラル社会派監督でして、なぜバカアクション専門のマクティアナンがリメイクを続けているか。実はマクティアナン、アクション映画に見せかけて左翼リヴェラルのプロパガンダを行っているのであった。ダダーン!

『ダイ・ハード』は…、『クリフ・ハンガー』は…、『ラスト・アクション・ヒーロー』は…、と、アクション映画にいかに政治的主張を盛り込んでいるか? を例証しようと思いましたが面倒くさいのでやめて、2002 年版『ローラーボール』、今回は、古代コロッセウムのグラディエイターにも似た選手が反乱を起こす、というような『スパルタカス』調のお話し、やはりマクティアナンは左翼なんですなー。

 そんなことはどうでもよく、スケートボードに寝そべってサンフランシスコの急坂を滑降するオープニングが大迫力でした。終わり。…というくらい、その後の“ローラーボール”にまつわる話はどうでもいい感じ。ただの珍な作品でした。

 次回は、大爆発の連続、息をもつかせぬアクションシーン連発による『屋根の上のバイオリン弾き』リメイクに挑戦していただきたいものです。観客数 5 人の劇場で映画を見るのが好きな方にオススメです。

★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-May-20;

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