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Movie Review 10月30日(TUE.)

GO

公式サイト: http://www.go-toei.com/

 コリアン・ジャパニーズを主人公にした「不良少年」ものでございます。古くは『けんかえれじい』、『ガキ帝国』、最近では『岸和田少年愚連隊』など、傑作多数なのですが、この『GO』もバチグンの面白さ。出だしは、『トレイン・スポッティング』あるいは『ロック・ストック & スモーキング・バレル』の出来の悪い模倣、という感じなんですけど、ラブロマンスあり、圧倒的な父性の復権があり、友を喪うことの悲しみがあり、コリアン・ジャパニーズとは何者か? 国籍とは何か? などの重いテーマを軽々と描いております。

 しかし、しかし。…以下、ネタバレにてご注意。観る前に読んではいけません。

 コリアン・ジャパニーズ杉原青年(窪塚洋介)は、「国籍」なるもののナンセンスさを卒然と悟ります。ところがですね、突如現れ恋愛関係となった桜井(芝咲コウ)に、サラリと自分の国籍をうち明けられません。国籍なぞどうでもいいことと思いつつ、ずるずると楽しい日々を過ごした後、いざベッドイン、契りを結ばんとすその瞬間、唐突に杉原は「我日本人に非ず」とうち明けてしまいます。

 桜井は翔んでる女性(笑ひ)ですから、「そんなことどうでもいいじゃーん」と言ってくれるかと思いきや…、「私、お父さんから子供の頃から聞かされてた。韓国や中国の人とつきあっちゃいけないって。韓国や中国の人は血が汚いって。頭ではわかっててもダメなのー」。がーーん! なんたるナンセンス! くそー、桜井の親父め! なーにが「ボクは日本って国は信用できないんだよ、だから選挙にも行ったことないんだよ」だ? アホか。そんなこと自慢になるかー! この全共闘崩れのプチブル市民派リベラル野郎め。コリアン・ジャパニーズには選挙に行きたくても行けない方もおられるのだぞ。そこんとこ判っているのかと問いたい。問い詰めたい。小 1 時間問い詰めたい。

 おっと興奮してしまいました。ラストの話でした。「呵々、ボクの恋愛もこれにて終了」と思いきや、クリスマスの夜、何故だか桜井から「一晩中でも待ってるわ」と呼び出され、二人はヨリを戻す! これは一体…? これこれ桜井さん、あなたは杉原を身体的・生理的に受け入れられぬと申したではないですか? その身に染み込んだ差別感情を如何に克服したのですか? いや、一応それらしきセリフはあるのですが、納得いかん。

 左様、この恋愛談では、「差別感情」が恋愛の障害となるのですが、ウヤムヤのままに大円団を迎えるのです。こんなヌルいラストでいいのかー? なーにが「あったかいとこに行って、どこで寝るか考えましょ!」だ? たとえお前の父親が許してもワシは許さん! それまで「ああ、面白い映画だなー、素晴らしいなー」と感動していた私は、思わぬ結末に憤懣やるかたなく新京極の雑踏へと放り出されたのでした。

 もしやこのヌルいラストは映画化にあたって無理矢理に付け加えられたものではないか? との疑念を抱いた私は早速原作本を購入(まんまと型にはめられている気がせぬではないですが)、読みました。ありましたよ。ちゃーんとありました。如何に桜井が差別感情を克服したか? に関する叙述が。何故この重要なる一事が削られるにいたったか? ご存知の方は私、BABA までご一報ください。

 そんなことはどうでもよくて(よくないかもしれない)、窪塚洋介バチグンの好演、さらに山崎努最高! その他の出演陣もドンピシャリ! バチグンのオススメ。で、ラストをどう思ったかこっそりお教えください。

BABA Original: 2001-Jan-30;

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