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Book Review 2月8日(THU.)

ただ
 マイヨ・ジョーヌの
 ためでなく

ランス・アームストロング著

 ワタクシ事だがスーパーカブを盗られたのを機に、自転車通勤に切り替えたのだ。雨の日も、風の日も雪の日も自転車だ。

 自宅から会社までの所要時間は、スーパーカブだと約 20 分だ。マウンテン・バイクだと約 30 分だ。通勤時間は延びたが、桂川沿いの自転車道を走る気持ちよさに比べれば、なんてことないのだ。

 さらに調子に乗ってロードレーサーを買ったのだ。最高にクールなロードレーサーだ。さて、さっそく通勤所要時間を計ってみると約 30 分。ぎょっ。MTB と同じじゃないか。ロードレーサーの方が圧倒的に、速い! …のに、どうしたことか?

 実は、同じ通勤経路を走っていてもロードレーサーと MTB ではまるで違う「道」を走っているのだ。MTB の場合は歩道中心、ロードレーサーは車道中心となる。MTB は、そもそも山道を走るための自転車であるから、ちょっとした段差でも気にせず、歩道をガンガン走ることができる。一方、タイヤが華奢なロードレーサーは、そうもいかず、段差が少ない車道を走りたいのだが、これがまた、よく渋滞するのだ。MTB みたく、お先に失礼! しゅぱーんと歩道にのり移るわけにも行かず、結局、桂川沿いに入るまでの一般道で時間がかかってしまうのだ。どうすればいいのだ。

 一般道は、自転車のことを何にも考えずにデザインされているのだった。四条河原町近辺の四条通、河原町通は、おまわりさんに「ぴぴぴっ自転車は歩道を押しなさい」と言われたりするのだ。政府やなんかが地球温暖化防止、とか言っているから、人がせっかく自転車に乗ってやっていると言うのに何だ、その言い方は。一体どういうつもりだ。

 四輪や、オートバイに乗っている人も考え物だ。そんなにぷーぷークラクションを鳴らすものでもなかろう。ビックリするじゃないか。それにしても恐ろしいのは大型トラックだ。ちんたら走っている 40 センチ横を、ぱおーんと猛スピードで追い越していくのだ。お前は象か。

 と、言いつつ、カブに乗っていたときは「おらおら自転車、邪魔! のきさらせ」と思っていたのだから呆れ返る。喉元過ぎれば熱さ忘れる、ということか。

 結局は、みなが自転車にもっと乗ればいいのだ。そして、自転車の素晴らしさに満ちた物語が『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』、なのである。長い前フリであったが、「世界に涙と感動を呼んだベストセラー」だ。ところで「マイヨ・ジョーヌ」って、一体なんだ?

「マイヨ・ジョーヌ(黄色ジャージ)とは、自転車レースで 1 位の選手だけが着られる栄光のジャージです。」(帯より引用)

 なるほど。では、ただマイヨ・ジョーヌのためでなければ何のためなのか? それは読んでのお楽しみだ。

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BABA
Original: 2001-Feb-08;

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