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Movie Review 2000・6月17日(FRI.)

千里眼

公式サイト: http://www.senrigan.net/

 松岡圭祐原作。映画『催眠』は、原作とはまったく違う展開で、菅野美穂ちゃんのブチ切れ演技が最高の傑作爆笑巨編であったが、今回は笑小編、くらいか。

 千里眼、といっても登場するのは超能力者ではなく、ほんの少しの目の動きで相手の考えていることを読む「心理学者」だ。こっちを向いたら過去のことを考えていて、緊張しているようなら黄色いモノを思い浮かべている、とか。どこまでホンマかわからん、というか、眉がツバでベタベタな感じであるが、ネタもネタなら話のトンチキ度も『北京原人 Who Are You?』に匹敵するトホホぶりだ。

 冒頭、「ミドリの猿」なるテロリスト組織が日本を震撼させている模様がテレヴィのニュース番組で語られる。中身といえば、「タタミ工場で事故」。なんか、テロリストがタタミ工場の作業員に催眠術かなんかをかけて、機械に飛び込ませたらしいです。恐ろし過ぎ!

 さらに「ミドリの猿」に操られた男が米軍基地に侵入、日本国内各所に向かってミサイルを発射してしまう。で、解除するためにはコードを打ち込まねばならないのだが、やってきたのが千里眼と異名を取る「心理学者」黒木瞳と、自衛隊の女性戦闘機乗りの水野美紀。暗号を打ち込んでいる男の表情をヴィデオで見ただけで 9 ケタの数字を見事的中させる。スゴ過ぎ!

「ミドリの猿」は、自衛隊の電子機器をマヒさせようと、巨大観音像に電磁波発信装置を設置しようとする。機器搬入があやしまれないように、登校拒否児を大勢集めて催眠術をほどこし、毎日チョビっとづつ運ばせる、というのだからビックリだ。よけいあやしいっちゅうねん!

 隅々にまでアホらしさが漂い、すっかり脳味噌がとろけてしまった観客を驚愕させるのが、水野美紀のクンフーだ。これはメチャクチャカッコいいです。ワイヤーアクションも使って、この映画唯一のみどころ。

 クライマックスは、再び、原発に向かって発射されてしまったミサイルを、暗号を入力して解除するサスペンスだ。で、今度は 2 発だけ解除できなかったのだが、なんと、水野美紀が天才的なミサイル誘導で 2 発のミサイルを正面衝突させて、めでたしめでたし。ピンポイントにもほどがある、と思います。

 とりあえず、水野美紀主演で『女必殺拳』リメイク希望。

BABA Original: 2000-Jun-17;

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