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Movie Review 2000・6月1日(THU.)

モー娘。走る! ピンチランナー

‘モーニング娘。’が如何なる存在か、よく知らないで見たので、果たしてどの人が‘モーニング娘。’なのか? ハラハラドキドキであった。

 海辺の女子校が舞台である。安倍なつみちゃんは、たった一人の陸上部員だ。どれくらい一人かというと、顧問の先生すらいない一人っぷりである。とにかくたったたったと海辺の道をマラソンだ。落雷で死にそうになったりなんかしちゃったりして、入部希望者が続々集合してくる。

 バスケット部パシリの市井紗耶香ちゃんは先輩たちのイジメに耐えかね、陸上部へ。彼女は自宅でも、鼻の大きい父親に、布団叩きでヒザをしばかれる虐待を受けている。家庭内暴力の被害者は、そういう傷跡は隠したがるものだろうが、紗耶香ちゃんはこれ見よがしに見せびらかす。トラウマがあるのか、「ねえ! 走るのって楽しい?」など痛い言動が多く、ボク的にはいちばんのお気に入りである。

 バスケ部の権力闘争に敗れたスタープレーヤー飯田圭織ちゃんも逃げ場を求め、後藤真希ちゃん、矢口真里ちゃんも、何だかよくわからない内に陸上部へ。5 人そろったので、それじゃ駅伝でも出ますか? と、顧問もいないのに大会出場を決める。

 近所のパン屋のお姉ちゃん、中澤裕子ちゃんも私設コーチとして参加。保田圭ちゃんは、心臓病で走れないそうで、マネージャーとして参加だ。はてさてどれが‘モーニング娘。’かいのお? とアタフタ見ていたのだが、この 7 人が‘モーニング娘。’だったのだ。一安心である。

 さて、顧問もいないのに、いよいよ大会に向けてがんばろう! ってことだが、阿部なつみちゃんの母親、松坂慶子は、聾唖者なのであった。昔、母親がリレーの応援に来たのが恥ずかしく、バトンを落とすというヘマをやったなつみちゃん、今度も同じ失敗をするのではなかろうか? と心配でしょうがない。

 さすがベテラン松坂慶子、いい仕事してるぞ。演技ド素人同然の‘モーニング娘。’を相手に熱演する松坂慶子の胸中察するに余りある。この母子をめぐるエピソードはなかなか泣ける。

 なんだかんだあって、大会当日。どのような事情で選ばれたのか、いつの間に頼まれたのか、謎なのだが、安倍なつみちゃんが栄えある選手宣誓だ。顧問もいないのに。さしてきばって練習したとは思えぬのだが、5 人の選手は力走、順位は抜きにして大観衆の声援を一身に受けるのであった。感動の嵐。おおおおお。

 新規加入の‘モーニング娘。’のメンバーもエンドタイトル後におまけでチョビッと顔を出すので‘モーニング娘。’の熱狂的ファンの方にはオススメだ。

BABA Original: 2000-Jun-01;

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