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Movie Review 2000・1月28日(FRI.)

アベック・モン・マリ」座談会
 

管理人
本日は京都みなみ会館で『アベック・モン・マリ』のアンコール・レイトショーを一緒にご覧になった、フリーライターの maki さん、エンジニアのakiraさん、自称 WEB デザイナーのおいしんさん、印刷会社勤務の BABA さんらカフェ・オパールに集うみなさまに『アベック・モン・マリ』の魅力について語っていただこうという趣向です。
おいしん
おー。男 2 人に女の子 2 人、って『アベック・モン・マリ』そのまんまですねー。
BABA
うるさいっちゅうねん。南区全域に声が響きわたっとるやないけ。
管理人
例によって、おいしんさんの発言の文字が大きいのは、声の無闇なデカさを表現しております。ところで、どうでもいいことですが、この対談はみなみ会館のご近所の、カフェ・オパール南支店を勝手に標榜しているマチデくんの高級マンションで行われております。
マチデ
どうも。いきなり押しかけていただいてありがとうございます。
akira
しかし、チョー素敵なお部屋でごじゃりまする〜。棚がぜ〜〜んぶエレクターじゃないっすか〜。
maki
これがデロンギのヒーターすかぁ。メチャかわいいっ! でも、飾ってあるだけなのね…。
BABA
しかしこんな小洒落た部屋って、マチデくんが出張から帰ってきたらガス爆発で粉々に吹き飛んでそうな感じだな。マチデくん、最近不眠症ぢゃない? モノマガジンとか、メンズ・クラブ? とかに載ってる部屋そのまんま。この部屋にマチデくんの人生がすべて詰まっている!
管理人
あのー、『アベック・モン・マリ』の座談会するってんでマチデくんの家にムリヤリ押しかけたんぢゃあないすか。早くやりましょうよ。akira さんも、BABA さんも明日仕事なんでしょ。
maki
失礼ねー! なんでアタシの名前ぬかすの? フリーとはいえ、アタシも滋賀の山奥まで仕事で行かなきゃいけないのよ!
管理人
…だったら、早く始めましょうよ。もうここまでで、ほとんどの人が読むのやめてますよ。
BABA
4 人で座談会すりゃあ、とりあえず 4 人は読むだろうからいいぢゃん。
管理人
……。えーっと、簡単に『アベック・モン・マリ』のストーリーを紹介すると、フリーのカメラマンのタモツくんは、板谷由夏と夫婦なんですけど、マユちゃんと浮気した、との嫌疑をかけられて離婚しちゃうと。で、タモツくんは浮気の疑いがかけられているってぇのに、マユちゃんの家に転がり込む、と。で、マユちゃんは、板谷由夏の上司の大杉漣と「不倫」してると。
おいしん
「avec」は「with」、「mon」は「my」、「mari」は「husband」ですねー。
BABA
おお! さすがフランス語専攻! …ってそれくらい誰でもわかるっちゅうねん! ところでどうでした?
akira
ほんっっ…(約 10 秒間、口をつぐんで)…っとに、タモツくんがダメ! メチャ腹立った! 最初に出てきたときからダメ! なんやこのロン毛とか思った! あたしをすっかり嫌がらせました! ほんまにダメダメなヤツ! 板谷由夏と仲直りしたいんやったらマユちゃんの家に行ったらアカンやろ! アホ過ぎ!
BABA
ボクもメチャクチャ腹が立ったな。板谷由夏も間接ワザとか特技があるんだったら、もっとタモツくんをコテンパンに痛めつけりゃあいいのに、と思った。なんでマユちゃんとこに泊まりに行くねん! 男の友だちおらんのか?
maki
でも、なんかその辺にいそうな感じでよかったじゃないっすかぁ。マユちゃん可愛かったし。
akira
なんでマユちゃん、あんなフニャフニャしたヤツがいいのか全然わからん! 板谷由夏にビシビシ言われても、フニャフニャしてるだけなのが許せん。akira だったら、ホントに近くに寄ってこんといて、って感じ。演技にしてもフニャフニャするな! チョーむかつく!
maki
でも、板谷由夏はケンケン罵っていても、タモツくんのことがやっぱり好きなんでしょ。板谷由夏も感情表現が苦手な可愛い女の子なんですよー。というか、ああいうのが彼らのコミュニケーションの形なんじゃないっすかぁ?
BABA
その辺が甘い! 感情表現がヘタなら、それを認めて上手になるように努力するか、「ヘン! どうせあたしゃあ感情表現が苦手なんだよ!」と開き直ってタモツくんを地獄の底にたたき落として大笑いするとかしなきゃあダメだ。こういうケンケンした人にはタモツくんみたいなんがいい、ってことだけど、ワシは許さん! タモツ殺す! 「スポーツカメラマンになりたいんだあ」とかこの不況のご時世に夢を見るのもいいけど、嫁さんに迷惑かけるな! ボケ! フニャフニャするな!
おいしん
…なんか自分のこと言われてるみたいだなあ。
maki
さては、おいしんさんってタモツくんに感情移入してたんでしょ?
おいしん
ええ、まあ。そんなに悪いヤツじゃないでしょ? 料理とか裁縫とか上手だし。
BABA
アホ! そういう問題と違う! …ところで、おいしんって恋愛とかしたことないのになんで感情移入できるのだ?
おいしん
失敬な! ボクかて恋愛経験ありますよ!
maki
おお! 最新の恋愛経験は?
おいしん
えーっと、1 年くらい前です。○カラ座でバイトしているときに知り合って 1 年半くらいつきあったんですけど。ってなんでこんな話なん?
BABA
で、相談なしにフリーの WEB デザイナーになるとか妄言をはいて、愛想をつかされて現在に至ると。
おいしん
失礼な! ボクがフったんですよ!
akira
すごおぉーい! なんでフったのか聞きたいですねぇー。
おいしん
もおぉぉぉ、いいぃじゃないですか。なんでこんな話になるんやぁ!
管理人
そうですよ。全然『アベック・モン・マリ』と関係ないぢゃないですか。
BABA
うるさいっちゅうねん。…でも、よく考えるとホントどうでもいい話なんで、おいといて。えーっと、『アベック・モン・マリ』は、ほとんど男女の会話だけで物語が進んでいくのが、なんかエリック・ロメールっぽいっとか言われているみたいだけど、結構脚本をキッチリ仕上げてリハーサルを念入りにやって、アドリブとかあんまりないみたいだから大分エリック・ロメールとは違う印象を受けたな。急にベタベタになるところもあるし。まあ、そんなことはどうでも良くて、役者さんの演技がリアルで、他人の痴話ゲンカを覗き見しているみたいな感じがおもしろいんだけど、どうでしょ?
管理人
はあ。
BABA
そいでから、嫁がケンケン旦那をののしり、旦那はそういう嫁を暖かく受け止めるみたいな、タモツくんも最初はどうしようもない感じなんだけど、だんだん「おっ、こいつもただの優柔不断なヤツぢゃないじゃん?」と観客に思わせたい、ってのはよくわかるんだけど、やっぱりむかつくヤツだなあ。タモツ殺す! 嫁がバリバリ働いて、旦那は家事にいそしむ、ってのは旧来の夫婦関係の逆なんだけど、まあ、女性が社会進出をドンドンしていけば、こういう夫婦もドンドン出てくるだろう。でも、経済力を持っている方が家庭で権力を握っているという図式は性を逆転させただけで、やっぱり古い夫婦観のように思うな。家事労働がちゃんと労働として認められないのも旧態然とした感じ。淡島千景+森繁久弥の『夫婦善哉』の方がカッコいいぞ。まあ、ワシも結婚経験がないから適当なこと言ってますけどね。…ってこんなもんでどうでしょ?
管理人
…。はあ。
BABA
とは言っても、良く練られた映画で退屈はしないし、笑えるのでオススメ。
akira
そうでごじゃりまするね。akira もチョーおすすめ! タモツにムカつくけど、メチャおもろい!
BABA
はい! 『アベ・モン』座談会終わり! それじゃあ、おいしんの恋愛話に戻ってと…。
おいしん
なんでオレなん?!
akira
いいじゃん、いいじゃん。
maki
そうよ、そうよ。えーっと、まずは初恋から聞きましょうか(とペンと手帳を取り出す)。洗いざらい全部しゃべっていただきましょう!
おいしん
んがあぁー!
管理人
えー、っと。以下ホントにどうでもいい話が続きそうなので、今日はこの辺で。ボクはお先に失礼します。ごゆっくり。

(おいしんさんの恋愛クロニクルは朝まで続いたというウワサ)

makiakiraおいしんBABA Original: 2000-Jan-28;

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