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Movie Review 2000・2月27日(SUN.)

ISOLA 多重人格少女

公式サイト: http://www.isola13.com/

 あーやだやだ、馬鹿ばっかり。主人公の木村佳乃は人の感情が読める「エンパス」って「超能力」の持ち主…ってボクなんかは本人がそう思いこんでるだけぢゃん! と思うのだが、とにかく痛いヤツで、東京から「自分探し」に、阪神大震災のボランティアにノコノコやって来ている、神戸の人にしてみればさぞ鬱陶しかろう、って感じの馬鹿。

 で、13 の人格を持つとされる黒澤優ちゃんは、というと、メイクと髪型を変える特技の持ち主。しかし、13 の人格を持つったって、「この 13 種類の絵は一人の女の子が描いたのよ!」って説明されるだけで、映画に登場するのは数人分。なんぢゃそりゃ。

 心理療法士ってのも登場するが、「ほれほれ、あの子が多重人格者よ!」と、どこの馬の骨とも知れない木村佳乃に患者の秘密をバラす。心理療法士には守秘義務ってないのか?

 さらに『アルタード・ステーツ』みたく、感覚を遮断して水槽にプッカプッカ浮いてたら幽体離脱できるかも? っちゅうしょうもない研究をしている石黒賢なんだが、実験で助手を死なせちゃってもお咎めなし、大学をクビになることもなく、半分潰れかけ立入禁止校舎に潜り込んでいそいそ研究を続けてやがる。どうなっているのだ?

 ネタをばらすと、幽体離脱の実験中に阪神大震災が起こったもんだから、行き場を失った霊魂が、義理の父親から性的虐待を受けて人格が分裂していた黒澤優ちゃんに乗り移って 13 番目の人格になって悪さをするので退治しましょう、って話。「超能力」+「多重人格」+「幽体離脱」ってトンチキなネタの合わせ技なんだけど、そういう題材の馬鹿さ加減に無自覚なヤツらが、阪神大震災をからめているのに腹が立つ。

 劇場にあふれていたのは、中学生くらいのガキどもで、ペチャクチャしゃべったり携帯電話をピーヒャラ言わせたりと、良識ある人なら眉をひそめること必至の鑑賞態度であったが、この映画の場合はそれがふさわしい。

BABA Original: 2000-Feb-27;

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