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Movie Review 2000・8月21日(MON.)

MONDAY

『ポストマン・ブルース』『アンラッキー・モンキー』などのサブ監督の新作。これまでは、とにかく直線的な物語で、主人公が疾走しまくる、って感じだった。今回は、ある朝、目覚めたらホテルのベッドの上、はて、私はなぜこんなところで寝てるのでしょう? と前夜の出来事を回想していく、という形式。酔っぱらって記憶を失いがちの方は思わず慄然とさせられるオープニングだろう。か? 知らん。

 友人の葬式、バーなどで「寸劇」っちゅうか、スケッチがいくつか回想される。思うに、サブ監督、っていうか若手の監督にありがちなんだけど、キッチリ段取り踏んでキチキチカットを割っていく演出で、前作まではストーリー自体がグルーヴィなので「めくるめく感」があったのだけど、回想形式を踏む今回は、妙にモタモタした印象を受ける。時制が行き来するたびに、物語が中断される、っちゅうか。

 ネタバレですけど、ハメを思いっきりはずし、ヤクザとかヤンキーとかをショットガンでぶち殺してホテルに転げ込んだということが判明する瞬間は、若干不条理感が漂って素晴らしい。ここでこのまま宙ぶらりんの状態で映画が終わっていれば、余韻もあって傑作かも? なんだけど、その後、蛇足のように、『レオン』風に、部屋からの脱出劇、特殊部隊との活劇が少々あって、ミョウチクリンな結末となる。うーむ。

 サブ監督の作品どれもに言えることなんだけど、半ばコメディタッチ、というのは、どうか、と思うのだ。話が不条理で馬鹿馬鹿しいだけに、演出は徹底してシリアス、というかマジボケあたりを狙ってほしいところ。よけいなお世話でした。

 主人公を演じるのは、サブ監督作ではお馴染みの堤真一。『ナビィの恋』の西田尚美もチョビッとだけ出演。その他、寺島進、大杉漣などなど、脇役も充実。オススメなり。

BABA Original: 2000-Aug-21;

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