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 Diary 2004・5月5日(WED.)

暗合

 マツヤマさんが最近、阿部和重の本に凝つてゐるやうなので、さういへば私も何冊か阿部和重の本を持つてゐるけれど、一冊しか読んだことないよなぁ、と思ひ、これを機会に読んでみる事にした。デビュー作の『アメリカの夜』 と次作の『ABC 戦争』 。すると、興味深い事実が分かつた。まづ『アメリカの夜』の方だが、これは自分のことを特別と思ひたい凡庸な(?)人間である主人公が、自分の誕生日にまでなんらかの意味を見ひださうとしたりしてゴチャゴチャする、といつた展開をみせるのだけれど、この主人公の誕生日とショウヘイくんの誕生日が同じなのだ。ふむ。次に『ABC 戦争』の方だが、こちらには何と、かなりのキーパーソンとして、「種田秀史郎」といふ名前の男が出てくるのだ。オイシンと、ほぼ同じ名前である。これは、阿部和重がオパールの周りの人たちをモデルにして小説を書いてゐるとしか思へない。この調子なら、他の作品にはどのやうな事が書かれてゐるのか分かつたもんぢやない。そこには秘められたオパールの秘密が……ッて、そんな訳はないんだけれど。

 キューブリック監督の映画『博士の異常な愛情』 は、高校生の時に観たのだけれど、他のキューブリック作品に較べてさほどの印象を残さなかつた事もあつて、ほとんどのディテールを忘れてゐたのだが、最近この作品を観たばかりのハッシーに「共産主義ッて何ですか?」「日本人に虐待されたとか言つてましたけど、そんな事があつたんですか?」などと色々と質問されたこともあつて、これは一度観直しておかうと思ひ、オイシンに DVD を借りて、観た。すると、ピーター・セラーズが暗号を解くシーンがあつて、それは三つのアルファベットの組み合はせなのだけれど、それが「OPE」なのだ。故に、暗号を解いてゐる最中に何度も「POE …」(ポー!)「OPO …」(オポー!)などと画面に出て、我が家のポーは大興奮であつた。ううむ。

 ゴールデンウィークは本日で終はり。が、それは暦の上での話であつて、すでに三日ほど前に終わつてゐたのであつた。

小川顕太郎 Original: 2004-May-7;
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