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 Diary 2003・7月17日(THU.)

D.O.C

 夢を見た。破産する夢だ。オパールが破産するだけではない。何故か私の実家まで詐欺にあひ、全財産を失ふのだ。その報告を電話で聞きながら、このやうな事態があるものだらうかと茫然自失するのだけれど、そのうち、案外全てを失ふのはよいことかもしれないぞ、今までのしがらみから逃れて、完全な一からの出直しだ、と、大いなる自由の感覚に気分が限りなく昂揚していく所で眼が覚めた。この夢は何かを暗示してゐるだらうか。まさか、たかが夢である。が、目が覚めた後、こんな縁起の悪い夢を見てしまつたと、昂揚してゐた気分は一気に落ち込んだ。

 最近のお気に入り CD は、THE D.O.C の『DEUCE』。THE D.O.C は、N.W.A の周辺にゐた人で、その頃に『NO ONE CAN DO IT BETTER』といふ佳作を出してゐるけれども、その後に事故で喉を潰し、なんとなくフェイドアウトしていつた人、といふイメージだつたのだけれど、これがとんでもない認識不足だつたようだ。どうやらこの THE D.O.C といふ人は、実質的にウエッサイを支えてゐた黒幕的な存在の人だつたやうなのだ。スヌープにラップを教へたのも、ダズにラップを教へたのも、はたまたアイス・キューブにリリックの書き方を教へたのも彼で、アイス・キューブが抜けた後の N.W.A をリリック面で支えたのも彼なら、ウエッサイブームを巻き起こして現在のヒップホップの在り方を規定した超名盤『THE CHRONIC』を、リリックの書けない(?)ドレを補佐して作り上げたのも彼だといふのだ。そりゃ凄い! と、この度の新作を聴いてみれば…す、すばらしい! ここまで最初から最後まで眼の覚めるやうな曲の詰まつた CD は久しぶりだ。すでに、個人的な本年度のベストアルバムになりつつある。……とはいへ、聴いてゐない CD が山積みで、ゆつくり THE D.O.C ばかり聴いてゐる訳にはいかないのですが。読んでゐない本と、聴いてゐない CD (レコード)。映画にも行けてゐない。なぜ、こんなに時間がないのか。

 さういへば、本日は山鉾巡行でしたか。

小川顕太郎 Original:2003-Jul-18;