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 Diary 2003・1月29日(WED.)

唱歌・童謡

 あんまり家で休んでゐる訳にもいかないし、と思つて昨日は普段通りに夕方から店に出たのだが、これが良くなかつたのかもしれない。今日は喉の痛み、頭痛ともに激増し、特に声が出なくなつてしまつたので、家にてダウン。が、本日の夜番はトモコとユキエさんの二人なので、ショウヘイくんでもゐるならともかく、やはり最後は私がゐた方が良いだらうと思ひ、閉店間際に店に行く。

 最後のお客さんが帰り、掃除が始まる。私はお金の計算を始めたのだが、掃除の方も手伝つた方がいいかな? 何か楽に出来る事はないかな? とあたりを見回すと、後ろにオイシンが立つてゐた。ビックリする。

「やー、店主大丈夫ですかー、手伝ひに来ましたよー」。

 さ、さうか、それはどうもありがたう。でも、オイシンが来るとわかつてゐたら、家で寝てゐたのに…と思いつつ、私は家から持つてきた CD をかけた。『教科書から消えた唱歌・童謡』。これは昨年(だつたかな?)出版された同題の本、この本はまだ未読だけれども、に紹介された唱歌・童謡を集めたものだ。これがまた素晴らしいのです。実は私は毎日これを聴いてゐます。弱つた身体に、美しい日本の音楽がやさしく染みます。

 全 20 曲。どれもこれも素晴らしいのですが、特に気に入つてゐるのが『靴がなる』。「お手々、つないで〜」といふあれですが、もちろんこの歌はよく知つてゐたとはいふものの、あらためて聴くと、ほんとすごい。歌詞はトリップ感に溢れてゐるし(とりになつたり、うさぎになつたりするんですよ!)、メロディーも秀逸。「くーつーがーなるー」といふラストも素晴らしいでせう? あのオイシンでさへ、「いいぢやないですか」と言つたくらゐだ。

 ところで私はこの全 20 曲中、『浜千鳥』『野菊』の 2 曲のみ知らなかつたのですが、オイシンやユキエさんになると、半分以上知らないといふ。これらの歌が教科書から消へたのなら、今の子供たちは全曲知らないんぢやないか? 別に教科書に載る必要はないが、それなら家庭で歌ひ継ぐべきだらう。とはいへ、今や親になる世代が、もうこれらの歌を知らないか。残念だ。こんなに素晴らしいのに。ゴミのやうな日本のポップスを聴いてゐる、今の子供たちが哀れでならない。

 唄を忘れた 金糸雀は〜

小川顕太郎 Original: 2003;