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 Diary 2003・1月9日 その 2(THU.)

上海日記 4日目
中編

湖心亭豫園帰国

湖心亭

 豫園のそばの「湖心亭」といふ茶館に入る。ここは 1855 年創業といふことで、上海最古の茶館といはれてゐる。ここでトモコは、百合の花が開く工夫茶を注文した。コップの底に茶葉を固めたボールのやうなものが入つてをり、そこにお湯を注ぐと、茶葉が徐々に開いていき、中に入つてゐた百合の花も綺麗に開く、といふしろものだ。実は我々は最近は中国茶にも少し凝つてゐて、日本でも色んな中国茶を飲ませる店に行つて飲んだりしてゐるのだが、さういふ所にも大抵この花が開く工夫茶はある。が、ここまで綺麗なのは見たことがない。味も抜群だ。本場の力を思ひ知つた感じだ。私は苦いお茶を飲んだのだが、確かに凄く苦い。でも、すごくおいしい。さらに、いくらお湯を注いでも、いつまでも味が薄れない。店の人が、夕方までやつてゐるから、ずつとくつろいでゐて貰つて構わない、といふので、本当にさうしたかつたのだが、さういふ訳にはいかない。帰りの時間が迫つてゐる。我々はしぶしぶそこを出た。ちなみに、ここの店の人は、なかなか達者な日本語を喋つた。>> 上海寫眞帳 27 | 28

豫園

 豫園に入る。ここは江南地方にある古典庭園の中でも屈指のものとされ、なかなか広く、中は迷路のやうに入り組んでゐて、さらに見どころも多いので、見て廻るのにゆうに 3 時間はかかるといふ。しかし、我々に残された時間は 1 時間ほど。駆け足で見て廻ることにする。…とはいへ、やはり 1 時間で見て廻るのはきつかつた。いたる所に奇岩があり、奇岩の庭のやうなものまであつたりして、思はず足を止めてしまう。足を止めると、なぜかシナの人、たぶん係員の人が日本語で話しかけてきて(ちなみに、我々は一見して日本人には見へないらしく、何個かの言葉で話しかけてきた後、日本人と分かつてから、日本語で話しかけてくる。これは、どこでも似たやうなものであつた)、庭の説明をしてくれる、写真を撮つてくれる、ついでに、といふかこれが本命だらうが、何か買ふやうに仕向ける、といつた具合だ。我々は時間を気にしながら、あたふたとそこを出た。>> 上海寫眞帳 29 | 30 | 31 | 32

帰国

 ホテルをチェックアウトして、タクシーにて空港に向かう。全てが名残惜しい。あまりにも短い滞在であつた。空港に向かうタクシーの運転手が、シートベルトをしてゐなかつたのだが、警察の姿が見へたとたん、緩んだシートベルトをサッと身体に巻いてゐたのはおかしかつた。かういふのは、日本と同じである。

 帰りの飛行機の中。周りはほとんど日本人のなか、数人のシナ人の声がうるさくてかなはない。上海の街中ではあまり気にならないやうになつてゐたのだが…。

 夜に帰宅。バッタリと倒れ込んでしまう。昼まで上海にゐたのが嘘のやうだ…。>> 上海寫眞帳 33

小川顕太郎 Original: 2003;