<< Cafe OPAL TOP
Cafe OPAL

<< SOUL CHAMBER Entrance


SOUL CHAMBER

ソウルチェンバー
座談会020319

HIRANO KURATANI ICHIMOTO OGAKEN

第一回 ノーザンソウルとは(前編)


| 前 | | |

オガケン

 えー、みなさん、本日は忙しい中お集まりいただき、有り難うございます。それでは今から「ソウルチェンバー座談会」の第一回を行いたいと思います。「ソウルチェンバー」は、我々 4 人で行っている、えー、イベントというか何というか、ノーザンソウル・モダンソウルをよりよく楽しめる場の提供というか、ノーザンソウル・モダンソウルを広めていく運動の一環というか、まあ、そういったものな訳なのですが、この座談会はその「ソウルチェンバー」と連動しつつ、さらによくノーザンソウル・モダンソウルの世界を知って貰おう、という事で始めることにしました。で、第一回の議題は、まず基本的なところで、みなさんにとってノーザンソウルとは何か? という事でやりたいと思います。やはり未だに日本ではノーザンソウル・モダンソウルって、あまり知られていないと思うんですね。従来日本で使われてきた「ノーザンソウル」という言葉とは、指しているものも違いますし。簡単に説明しますと、「ノーザンソウル」とは音楽上のジャンルを指すのではなく、イギリス北部で発達したひとつの文化を指すんですね。だからそこで愛されたソウルミュージックが「ノーザンソウル」だと。日本では音楽上のジャンルとして、60 年代後半に隆盛したデトロイト、シカゴなどのアメリカ北部の音楽を指します。ややこしいのは、実際の曲がかなり重なるんですね、どっちの意味で使っても。もちろん我々が言っているのは、文化としてのノーザンソウルです。

 ま、とりあえずですね、みなさんからそれぞれのノーザンソウルとの出会いを聞いて、徐々にノーザンソウルなるものの実像を浮かび上がらせていこうかと思います。えー、じゃあクラタニくんから。

クラタニ

 え! ああ、ボクからですか。あー、まあ、ボクはですねえ、イギリスですね。イギリスはブライトンに語学留学していた時に、まあボクはその当時バリバリのモッドだった訳ですが、向こうのモッド系のイベントのチラシの中に「ノーザンソウル」という言葉を見つけた訳ですよ。お! これはなんや、と思って、辞書で調べたんだけど載っていない。んで、行ってみたらですねえ、日本のモッド系のイベントではかかっていないような華やかな音楽がかかっている。これはきっと最強のモッドミュージックに違いない! と確信したのが最初ですね。

オガケン

 なるほど。でも向こうではモッドとノーザンの人達は仲が悪い、というか、ノーザンの人達はモッドを嫌っているという話だよね。モッドの連中は格好ばっかりで音楽のことを分かっていない、かっこつけでスノッブでソウルがない、とか言って。

クラタニ

 そうなんですよー。今から思えば冷や汗もんなんですが、当時はそういった事が分からないもんだから、ロンドンでのケブ・ダージとかがやっていた「100 %ノーザンソウル」というイベントにも、ひとりだけバッチリとモッドスーツできめて行っていましたからねえ。

オガケン

 変だとは思わなかったの?

クラタニ

 いやー、イギリスの奴らって、基本的にダサいじゃないですか。だからボクは自分一人が進んでいると、こいつらに本当のモッドのお洒落を教えてやる、という気持ちで、堂々としていました。

オガケン

 うーん、無知って恐ろしいねえ。じゃあ、次はイチモトくんは?

イチモト

 ボクも、モッドですねえ。モッドだったんです。で、その頃すでに大阪のモッド系のイベントで、キタアキくんがノーザンとかを回していて。それを聞いて興味を持って、CD とかを探したんです。そして最初に買ったのが「SOUL SURVIVORS VOLUME 1」という CD 。これが始まりでしたね。

オガケン

 あー、確かにキタアキくんは早かったよねー。

イチモト

 ええ、あの人、あの頃はバギーのスーツとか着ていましたからね。なんじゃ! なんでこの人のパンツはこんなにバカみたいに太いんや! と、最初はファッションで度肝を抜かれました。

オガケン

 ははは、確かに。最初はみんなバギーパンツを穿いていたよね。ノーザンソウルシーンは 70 年代に盛り上がったから、70 年代っぽい格好をするんだよね。えー、ではヒラノさんはどうですか。

ヒラノ

 ボクはソウルは 60 年代の末頃から聴いていて、まあ、その頃はいたって日本的なソウルファンですよ。ディープソウルとかを中心に集めていた。ノーザンソウルというものを意識し始めたのは、いつだったかなあ…。そりゃあ、昔からイギリスからもレコードを買っていたんで、「ノーザンソウル」という言葉は知っていましたよ。リストに書いてあるから。でも、例えば雑誌「ソウル・オン」とかでカスみたいな扱いを受けているレコードに、「ノーザンソウル」という説明がしてあって異常に高い値段がついていたり、なんだかよく分からないなあ、というのが正直な感想だった。うーん、朧気ながらも意識しはじめたのは、80 年代の後半くらいからかなあ…。

オガケン

 えー、日本の従来のソウルファン、いわゆるディープ・スイートソウルファンの人達というのは、ノーザン・モダンソウルにすごい抵抗をしめしたりするじゃないですか。ヒラノさんにはそういうのはなかったんですか?

ヒラノ

 全然。ボクは昔から R&B とかアーリーソウルとかも好きだったし。

オガケン

 ふむふむ。そういえば鈴木啓志さんが監修された「U. S. Black Disc Guide」という本の中でも、ヒラノさんが執筆を担当されているのは、ノーザン系の人が多いですよねえ。ジャッキー・ウィルソンとかフォートップスとか。ちなみにこの本では、音楽ジャンルのひとつとして「ノーザンソウル」という言葉を使っています。日本的な使い方ですね。

ヒラノ

 ジャッキー・ウィルソンなんて、未だに日本のソウルファンには人気がないからねえ。で、今のようにノーザンソウルシーンに関わるようになったのは、「NEON」というイベントがあって、まあ、そこで何回か DJ をした時にノーザンソウルをかけていた訳。。そこにクラタニが遊びに来て。で、彼に、ノーザンソウルパーティーをしませんかと誘われて、「ソウルサバイバーズ」の立ち上げを手伝ったのが始まりかな。

オガケン

 なるほど。では私の場合ですが、雑誌スタジオヴォイスのノーザンソウル特集号です。1998 年 2 月号「オール・ナイターたちのノーザンソウル」。実はその前から「ノーザンソウル」という言葉は知っていて、それどころか「ノーザンソウル好き」を自認してさえいた。何故かというと、まあ私もモッドみたいなものだった訳で、ポール・ウェラーが好きだったんですね。で、ウェラーが「ノーザン、ノーザン」とインタビューなんかで結構言っていて。でもその頃は日本の音楽界では「ノーザンソウル」なんてほとんど知られていないから、ちゃんと訳せていない。説明もよく分からないか、的はずれなものだった。それでもなんとなく、モータウンとかカーティスとかの事かな? と勝手に納得して、それならオレもノーザン好きだ! と。

 でも、その頃すでに KENT から出ている「FOR DANCERS ONLY」「FOR DANCERS ALSO」も持っていたんだけれど、それらを聴いても、どうもしっくりこない。どうも自分の考えているのとは違った世界があるんじゃないか? と頭を悩ましていた所に、あの特集でしょ。これだったのか! と飛び上がりました。で、その特集号にも載っていたケブ・ダージが、ちょうど日本にもやってくるっていうんで、大阪の「スーパーソウルショウ」というイベントに行った。そしたら、そこでバギーを穿いて暴れ回っていたのが、キタアキくんやイワブチくんだった、と。

クラタニ

 うーん、やはりキタアキくんの存在は大きいですねえ。ボクもイギリスから帰ってきて、日本では誰もノーザンなんて知らんやろ、と思って威張っていたら、キタアキくんはすでに 7 インチでノーザンまわすわ、アクロバットなノーザンダンスはするわで、日本にもこんな凄い人がいたんか! と吃驚しましたからねえ。

オガケン

 うんうん。えー、それではここでですね。イチモトくんの提案によって、みなさんに「マイ ノーザンソウル トップ 10」というのを選んできてもらいました。それを各自発表して貰いたいと思います。まずは…あ、私からですか。はい、分かりました。えー、最初に断っておくと、私のは順不同です。

ヒラノ

 え! それはズルいわ。イチモトに言われて、むりやり順位をつけてきたのに。

オガケン

 す、すんません。私は何事につけ、1 番を選ぶ、というのが苦手なんですよ。1 番というのは、単に 2 番の上、というんじゃなくて、特別な意味合いがあるじゃないですか。

ヒラノ、クラタニ

 分かる、分かる。

イチモト

 えー、そうですか。ボクは 1 番選ぶの簡単ですよ。それより、10 位を選ぶのが難しい。

ヒラノ、クラタニ、オガケン

 なんでや!!

イチモト

 だって、9 曲選んで、あと 1 曲しか選べないんですよ。あと 1 曲を何にするか。うーん、ボクは 10 位の曲が 100 曲ぐらいあるんですけどね、ほんとは。

クラタニ

 はっはっは! イチモトくんらしいわ! はっはっは!(と、何故か大受けする)

オガケン

 …まあ、とりあえずですね。発表します。

 

>> 中編
| 前 | | |

>> Soul Chamber INDEX
>> Soul BBS
>> Soul Survivors

>> Cafe OPAL TOP

 
© 1999-2002, Cafe OPAL on the net, all Rights Reserved.
リンクはご自由にどうぞ。掲載記事の無断転載を禁じます。