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Movie Review 1999・8月16日(MON.)

山本五十六」と「日本海大海戦

 戦記物二本立て。ときどきこういう気の狂ったプログラムを組んでくれるから京都みなみ会館は大好き。さすがに普段と違いヤにおっさんくさい客層でしたが。東郷平八郎と山本五十六という二代の大日本帝国海軍連合艦隊司令長官を演じるのは三船敏郎。さすが世界のミフネでそれぞれを説得力を持って演じている。

 昔はお盆前後にこういう日本の戦争映画がテレヴィで放映されたもんなんだが、最近はどうなんでしょうね。『日本海大海戦』は日露戦争勃発から日本海での大日本帝国連合艦隊とロシア・バルチック艦隊との大海戦までのお話で、ある世代には強烈にアピールした二百三高地での乃木・東郷会見などのエピソードを映像として見ることができ、『山本五十六』は三国同盟締結からガタルカナル戦くらいまでの太平洋戦記のお勉強になります。

「日の丸・君が代」法や盗聴法が成立し、憲法改正もなんとなく具体的になりつつある昨今、オヤジ的歴史認識を知っておく上でも役に立つんぢゃないかな。

 特に『日本海大海戦』はなぜ、連合艦隊がバルチック艦隊に勝てたのかを検証するドラマにもなっており、またバルチック艦隊がヨーロッパから延々喜望峰を回って日本に近づいてくるサスペンスがあったりでおもしろく見ることができた。

『日本海海戦』で乃木将軍を演じるのは笠置衆。三船と笠置衆が同じフレームに収まっているのは見物でしょう。

 ぜひ、こういう京都文化博物館ではなかなかやらない中途半端な日本映画の旧作をぢゃんぢゃん上映して欲しいものであります。

BABA Original: 1999-Aug-16;

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