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Movie Review 1999・8月12日(THU.)

ロック、ストック
 &トゥー・スモーキング・バレルズ

「鍵、貯え、ふたつの煙の銃口」とはなんぞや。“lock, stock and barrels”で「一切合切」とかいう意味の慣用句らしい。「トゥー・スモーキング・バレルズ」とは? 映画を見ればわかる。今回もネタに触れているので見に行ってから読むべし。

『トレイン・スポッティング』あたりから火のついたいわゆるブリット・ムーヴィーかと思えば、少々軽い。お話がどんでん返しの連続で、ドンデンドンデンするのだが、軽いから簡単にひっくり返るともいえる。

 なぜに軽いかといえば MTV 風だからなんですよ。実はわたくし MTV 好きで、 MTV 風映像が売り物の『フラッシュダンス』とか『フットルース』とか結構好きなんだが、MTV 風映像を使っていい映画といかん映画があると思うのです。こういう話の場合はやはり、ズシッといっていただきたい。ズシッと。カットの途中から切れ目なしにスローモーションになったり、人物のオロオロ感を多重露光で表現したり、とこういうのがヴェリークールと思われる向きもありましょうが、あざとい。全然クールぢゃないよね。

 なんか最近は MTV とかテレヴィコマーシャル出身の監督が多く、そういう人の撮った映画にはもれなく MTV 風映像がついてくるのだが、たいていの場合はなくても良い、むしろ物語を停滞させる場合が多いのでダメなんだ。なんで MTV 風映像をついつい入れちゃうんでしょうね。

 それにブリットムーヴィーってのはたいてい貧しい失業者、プータローが主人公で、きびしい現実を思い知らされるところが好きなんだが、この映画は地に足がついてない感じでダメ。子連れの借金取り立て人が最後に発する言葉にはメゲた。アホか。

 しかしながら、それぞれに個性的な登場人物は笑かすものあり。少しごちゃごちゃ感があり、なかなか話がはじまらん感じなのでソリッドに編集し直せば傑作になりえる映画と思います。ちなみに観客席には笑いにゆるゆるの外国人の方が来られてまして、とにかくガハガハ笑っておられました。

 ま、今のイキのいいイギリスを伝えているらしいのでオススメ。ちなみにしょぼいパンフが 1000 円もするのにムカついたのでついついけなしてみました。

BABA Original: 1999-Aug-12;

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