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Movie Review 1999・8月12日(THU.)

恋は嵐のように

 スピルバーグのドリームワークス製作、と聞いただけでつまんなそうな匂いがプンプンするし『あなたが寝てる間に』は良かったがその後パッとしないサンドラ・ブロック主演であるし、結婚直前になんとなく結婚を躊躇する気持ちが生まれる「マリッジ・ブルー」なるものをネタにしているらしいが、拙者結婚というものに現在のところなんら関心を持たぬゆえどうでもいい感じで気がすすまぬまま見にいく。気がすすまないなら見なけりゃいいぢゃん、というご意見はありがたく拝聴するとして。

 原題は「Forces of Nature」すなわち「自然の力」。主人公たちの行く手をはばむハリケーン等の自然現象の驚異でもあるし、困難があろうとも男女がこれ引き合うのは自然の力なりというダブルミーニングか。肉体労働者的イメージあり、しかしてこの映画では少々ヤッピーなナイスガイのベン・アフレック。結婚式のためニューヨークからアメリカ南部のアメリカ一美しい街(『真夜中のサバナ』予告編の情報による)サバナに向けての飛行機に乗ったところ、隣に座ったのが化粧の濃いサンドラ・ブロック。

 で、どうのこうのありつつなかなかサバナにたどり着けず、ベン・アフレックは嫁がサバナで待つ身でありながらサンドラと急接近。『或る夜の出来事』風スクリュウボール的ロードムーヴィーなお話なれど最近の映画にありがちな MTV 的なほんわかしたポップスにのせてコギレイなスローモーション映像が流れる、というそんなヒマがあったらなんかおもろいことしてくれ、といいたくもなる映画。こういう艶笑喜劇は徹頭徹尾ドライかつシニカルでなければならぬと思うのだが結局は愛の真実、子を思う母の心のようなものでまとめられ、めげる。そのあたりの中途半端さがドリームワークス的とも思える。

 ベン・アフレックが往年でいえばジェームズ・スチュアートまたはヘンリー・フォンダ的役回りなのは良いとしても、サンドラ・ブロックが男好きのする尻軽女を演じるというのはいかにも無理があると思うのだがどうか。サンドラ・ブロックはパッと見はさえないけれど眼鏡をはずすと実は美人、という役回りでなくては

 これまでのドリームワークスの映画、『ディープ・インパクト』に感動してしまったり『プライベート・ライアン』をスゴイ映画だぜと思っている人には強力にオススメ。結婚を身近に感じている人はなにか得るものがあるかもしれない。  ちなみにマドンナの『オースティン・パワーズ デラックス』主題歌のクリップを予告編とともに大画面で見ることができるのもオススメ。『オースティン〜』は 8 月 28 日公開だそうです。

BABA Original: 1999-Aug-12;

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