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2009年08月08日(Sat)

「ノウイング」 ☆☆☆★★★

Text by Matsuyama

この映画、けっこう長く上映しているので遅ればせながら書いてみる。あっ、そうそう、オレは今までみたいに「私は~だと思うのです」「~なのです」なんて書き方をやめることにした。たまに自分の書いた文章を読み返してみると「~なのです」なんてエラそうに書いているけど、ぜんぜんたいしたこと書いてなかったり、最悪、間違ってたりしていて頭から湯気が上がるほど恥ずかしくなってね。頭が悪いくせに良く見せようとするヤツの典型がこのオレだってことがわかったのさ。だから、ちょっとぎこちないけど、しばらくは「オレは~だ」って文体にしてみる。知らない漢字は変換しないで書く。「~と思う」なんて逃げ道もつくらずに「~だ」ってできるだけ言い切る。さらには気付かれないとは思うけど少し北海道訛りが混じる。そしてネタバレもある。

オレは脚本家の小林弘利さんのブログ "The world didn't come to an end" の中で書いてある「ノウイング」の解説を読んでちょっと感動した。

こんな明日はいやだ。こんな未来はいやだ。そう思って欲しいんです。この映画はそのために作られたんです。

この言い切りはオレにはマネできない。それは小林さんは聖書のこともよく知っていて、裏付けがキッチリできるからそう言えるんだよね。

オレは聖書なんてまったく知らないし、宗教には興味はあっても関わりたくはない。新興宗教だけじゃなくて、今の日本の既成仏教も好きじゃない。
ついでだから言っておくけど、もしオレが死んだら葬式はいらないし、お経も戒名も何にもいらない。墓にも入りたくないから、とりあえずは火葬したら半分の骨は京都東山のしばらくは残りそうな木の茂みにでも蒔いて。そしてもう半分は島本町の若山神社からでも千の風に乗せてほしい。国産の土でハーブを育てようと思ってる人がいたら、骨を粉にして時々蒔いてやれば、ヨーロッパの土みたいにアルカリ性に傾いて良く育つと思うから使ってみるといい。違法だから勝手にやってくれればいい。周忌法要もとうぜんいらないから、覚えている人だけがその場で思い出してくれるだけでいい。できればその日はどこかのバーでも行ってバーボンを一杯余分に注文してくれたら嬉しいな。なんてことを去年の今ごろ思った。
でも「そうしてほしい」なんて勝手に思っていても、もう少し徳を積まないと誰もオレのために動いてはくれないだろうな。

相変わらず話はとんじゃったけど、小林さんはこの映画の登場人物やストーリーがきっちりと聖書の記述に当てはまることをみごとに証明していて

多くの人がこの映画で描かれた聖書的未来とは違う未来を選択すれば、きっと違う未来が訪れるから ~ この映画は聖書文化圏の人達に、その原理主義者たちに 変わってくれ と訴えているのです。

(小林さん、勝手に抜粋して申し訳ありません、心より詫びします。)

っていうカンジだから、数多ある洗脳的ハリウッド映画とははっきりと区別しているんだ。素晴しい!

ただ、オレたちはそのキリスト教原理主義者たちに一方的に「変わってくれ」というのも都合のいい話で、オレたちも生き方を考え直す必要がある。
終盤、地球が滅びる直前の人々の不毛な争いはいかにも現実的だ。実際に人類が死を目前にすると強奪、レイプ、殺人があらゆるところで起きることだろう。
今の世の中、どこを見回しても子供から年寄りまでホントに欲深いから、明日死ぬとなったら地球上でいちばん下等な動物になってしまう、いやもうなってんだろうな。
オレは今44歳で、これから何事もないとしたら、おそらく数年前が人生の折り返し地点だろう。これまで親とか周りの人からいろんなものをもらったり、迷惑かけたり、傷つけたりしてきたから、これからはいろいろこの世に返していく人生なんだ。そして何にも持たずにあの世に行く。だから段々と物や金に執着しなくなるのが普通じゃないとならない。なのに周りのジジイやババアたちはもうすぐ死ぬっていうのにまだ欲の皮が張っているし、スケベなジジイもイッパイいる。こういう人らが明日にでも地球が滅びるなんてことになったらキチガイみたいに暴れ狂うんだろうな。

そういう意味ではじっと運命のときを待つジョンの家族はすごく気高い。そう、死ぬまで持っていたいのは人間としての尊厳だ。
選ばれし民として息子ケイレブが地球から発つのをジョン(ニコラス・ケイジ)は見送るんだけど、逆にケイレブが死にゆく父を見送るシーンでもある。父ジョンは息子の前では絶対にジタバタしない。「連れてってくれ」とも言わず温かい目で見守りながらじっと見送るシーンにオレはグッときた。この段階でニコラスだからっていう可笑しさはもうない。

そしてオレはこの映画にひとつの暴きがあることを知った。
宇宙物理学者の主人公ジョンは地球の温暖化が急激に進んでいることの原因として太陽フレア(大気爆発)が頻発していることを発見する。そして政府はそれをあえて発表せずに隠しているのだと。
人間の存在なんてちっぽけなもので、地球の気温まで変えられるはずなどない。だから、ホントに地球が温暖化しているなら、それは太陽フレアのよるものだし、太陽フレアが映画の中だけのフィクションであれば、地球は温暖化していないということだ。要するに温暖化と二酸化炭素は関係ないってことなんだよ。
オレは二酸化炭素を原因とすることがビジネスになっていることを「知っている」。もう大勢の人がそれを「知っている」。お前たちが隠したいことはもう誰もが「知っている」ということを

聖書に書かれているとおりの未来が訪れると信じている人達がいる、ということをぼくたちは「知っている」ことを思い出させるのです。

と書いた、またまた小林さんの文章をまねさせてもらって「もういろんなことがバレているんだぞ!」ってオレも叫ぶようにここに書く。

さらにもう1発、ユルいのを…
息子ケイレブは冒頭、突然の「ベジタリアニズム宣言」をするんだけど、これも宗教的要素だろうが、普通に観ると最後まで伏線として働いていない。
で、ここも宗教抜きで考えてみると、自然界では肉食動物よりも、草食動物の方が圧倒的に数が多いことがわかる。食生活が肉類中心の欧米よりも、野菜中心の東南アジア、インドの人口が圧倒的に多く、かつての日本もコメを主食に大豆、野菜、魚をオカズとしていたときは子供の数も多かった。「貧乏人の子だくさん」ともよくいわれることだが、これも「貧乏人はやることがなくてセックスばかりしている」とか「ゴムを買うカネがない」ということではなくて、高価な肉をたくさん食べられなくて、必然的に野菜中心の食生活を送ることで妊娠しやすくなっているのだとオレは決めた。

医学的に証明されているのかどうかはわからないが、野菜中心の食事の方が子供が出来やすく、特に男性不妊の場合は男性の方が玄米菜食にすると改善されると、多くの専門家が勧めているという。
「自然に産みたい―5人の子供を自宅出産した記録/橋本 知亜季(著)地湧社」の中で著者は「肉などを食べると身体の組織が硬くなり、会陰切開が必要になる~」つまり菜食にすれば安産がのぞめるということが書かれている。

ジョンの自慢料理がホットドッグというのも笑えるが。その典型的なアメリカ型の食生活に対しケイレブが「ベジタリアニズム宣言」をしたことはラストから後に続く「子孫繁栄のため」だということだ。人間が動物性タンパク質を摂ることが絶対に必要なことではないこともオレは「知っている」。

この「知っている/KNOWING」という言葉はオレたち庶民の叫びだ。日本でも重大な選挙がある。余裕で政権交代が実現すると思ったら、そうは甘くないだろう。国民はマスコミが伝えない真実を「知る」ことが必要なんだ。
最近では「911テロ」というより「911事件」という表記が増えている。それが「知っている」という叫び。権力者・支配層を破滅させるための叫びなんだ。

Comments

投稿者 このすけ : 2009年08月11日 21:04

突然の書き込み、失礼します。

さっそく小林さんのブログ読んでみました。
漠然と、ああ聖書のお話のどこかを引っ張ってきたのね、
と思って観てた身には、目から鱗でした。
あの黒い石と、約束の地とはどんな関係なのかも気になっております。

散髪の帰りに、『セントアンナの奇跡』を観てきました。
松山さんも好きそうな感じで。
ミニミニスクリーンの鑑賞だとしても、バツグンのおススメです。

投稿者 マツヤマ : 2009年08月14日 00:45

このすけさん
コメントありがとうございます。そして毎度ありがとうございます。

ニコラスは酔っぱらうのがよく似合うね。

黒い石…、検索してみるといろいろありそうですね、って実際してみたのですが…。

「セントアンナ…」も観てみます。梅田で観たいけど、間に合うかな?

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