京都三条 カフェ・オパール Cafe Opal:Home

Home > レビュー >

サブメニュー

検索


月別の過去記事


2006年10月02日(Mon)

もしも昨日が選べたら ☆☆☆★★★

Text by BABA

 人生なんて、自由に操れる。と、信じていた。ババーン! 『50回目のファースト・キス』が空前絶後に素晴らしかったアダム・サンドラー、待望の主演最新作。

50回目のファースト・キス コレクターズ・エディション
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2005/10/26)
売り上げランキング: 317

 アダム・サンドラーは建築士、昇進を夢見て、持ち帰り残業の日々。奥さんケイト・ベッキンセールとはラヴラヴ、子供2人とも仲良し、しかしつい家族サービスがおろそかに。

 そんなおり、色んなリモコンがあってうっとうしい! と「万能リモコン」求めてアウトレットへ。クリストファー・ウォーケンが開発した新製品を手に入れるが…、というお話。

 ネタバレですが「万能リモコン」、英語では“Universal Controler”、クリストファー・ウォーケン言うことにゃ「ユニヴァーサル・コントローラーは、万物(Universe)をコントロールするのだ!」、というとんでもないシロモノだった! ババーン!

「万能リモコン」で時間を早送りしたり、退屈な場面をスキップしたり、うははは! これがあれば人生は良いことずくめだ! 大喜びしていると…と、ドラえもん的展開を見せます。

 サンドラ太「おーい、ウォーケンえもん、奥さんの小言をスキップしたいよ〜」

 ウォーケンえもん「じゃーん! ユニヴァ〜サル・コントロ〜ラ〜!」(大山のぶよの声で)

 …というわけです。ここで私はふと、ハタ、と気づきました。日本語題名『もしも昨日が選べたら』って、どうなん? アダム・サンドラーは別に、昨日を選んでいるワケではありません。そりゃ昨日が選べるにこしたことはないでしょう。でもそれがこの映画と何の関係が? 題名を付けられた方が「昨日」にどんな過ちを犯されたかは存じませんが、単なる個人的願望を日本語題名にされてもなぁ…、と一人ごちた。ちなみに原題は「Click」。

 閑話休題。例によってアダム・サンドラーはお下劣なギャグ連発、小学生程度ギャグセンス持ち主・私は、静まりかえった劇場内でげらげら笑いっぱなし、さぞ、やかましかったことでしょう。すまんかった。

 そんな心にもない謝罪はどうでもよい。くだらないギャグを織りまぜつつ、ストーリーはどんどん深刻になっていきます。

 かつてここまでシリアスなアダム・サンドラー映画があったであろうか? いや、無い(と思う)。クライマックス、私は茫然と涙したのであった。『50回目のファースト・キス』に続いて泣かされてしまいました。

 この映画が伝える、「出世でキュウキュウするよりも、家族との時間を大切に!」というメッセージはアメリカ映画の定番、手垢がつきまくったものです。が、しかし。この作品においては、リアルに訴えかけてくるものがあります。最愛の妻と別れざるを得なかったアダム・サンドラーの無念さ・悲痛さが伝わってきます。

「古くさいけどリアル」という点は、さながら往年のハリウッド名作『素晴らしき哉人生』や『サリバンの旅』。アダム・サンドラーは、『Mr.ディーズ』で『トップ・ハット』(フランク・キャプラ監督)のリメイクに挑戦したりしてましたけど、めざすところはアメリカの理想が汚れていない時代の、キャプラやエルンスト・ルビッチ作品なのでありましょう。アダム・サンドラー、この調子で続々良品を作り続けていただきたい、と思うのでした。

 しかし根が天の邪鬼な私ですので、ふと、この映画のメッセージは偽善の固まりではないか? とも思うのです。「善人どもは家族サービスにつとめておれ。セレブな生活を望んではならんぞ」と言っているに等しい。アダム・サンドラーならびに製作に関わるハリウッドのプレイヤー(大物プロデューサー)たちは、さぞセレブな生活をされていることと存じますが、セレブどもにそんなこと説かれても、なぁ、と腹の中で私語しました。

 とはいえ、約2時間の娯楽、現実の厳しさを忘れるうさ晴らしにピッタリなのがアダム・サンドラー映画。クリストファー・ウォーケンをはじめとする脇役のヘンテコさも見もの、またケイト・ベッキンセールはギガンティックに可愛い! のでバチグンのオススメです。

公式サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/click/

Comments

投稿者 Ryo : 2006年10月05日 01:08

「50回目のプロポーズ」もそうですが、アダム・サンドラーは非常に普遍的なメッセージを映画の中に入れてきますねえ。
精神的な幸福は、物理的な幸せで補うことが出来ない、なんてある意味当たり前の事を、真直ぐに主張してしまうのは物凄く素晴らしいことだと思います。
ここら辺がアダム・サンドラーの映画がアメリカでウケている理由なんでしょうねえ。
日本では、下ネタばかりに目が行って、どうも評価が厳しいようですが・・・
げらげら笑ってほろりとさせる。一番幸せを感じる映画なので、みんな観て欲しいなあ。

投稿者 baba : 2006年10月06日 19:35

>Ryoさん

>当たり前の事を、真直ぐに主張してしまうのは物凄く素晴らしいこと

いやまったくです。で、その当たり前の事に、茫然と感動してしまう自分に驚いたりするわけです。

日本では評価が低いんでしょうか?
京都では『ロンゲスト・ヤード』の劇場公開もなかったみたいですし、ともかくお客さんが入らないんでしょうね。
少なくとも私の中ではアダム・サンドラー絶好調です!

コメントしてください





※迷惑コメント防止のため、日本語全角の句読点(、。)、ひらがなを加えてください。お手数をおかけします。


※投稿ボタンの二度押しにご注意ください(少し、時間がかかります)。



ページトップ