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 Movie Review 2004・11月9日(Tue.)

トルク

公式サイト: http://www.torque.jp/

 人類未体験スピード!!!! ブインブインブイーン! 『トリプルX』『S.W.A.T.』『ワイルド・スピード』製作者が放つ最新作! で、まあ、そういう感じでした。

 さすらいのバイカー、マーティン・ヘンダーソンが麻薬密輸さわぎに巻きこまれて(首をつっこんで)、アイス・キューブ率いるバイカー軍団もいりみだれてすったもんだというお話。

 まず、私がこの作品を断然、断固支持したいのはまずオープニング、バイクに乗った主人公マーティン・ヘンダーソン、四輪車を無理な追い越しで追い越して、ガソリンスタンドで休憩していたところ、四輪車ドライヴァーが追いついてきて、「なめたマネしてくれるじゃねえか!」と因縁をつけ、ガソリンスタンド子供さんを邪険に扱ったのを見て、主人公曰く。

「四輪に乗るヤツぁ、アホばっかりか?」

 素晴らしい! 常々、私が感じていることを見事に代弁していただきました。『トルク』最高!! いや、自転車に乗ってるアホも多いです。逆走する人とか。携帯メールしながら乗る人とか。私とか。

 閑話休題。監督は、これまで200本以上のプロモーションヴィデオを手がけてきたというジョセフ・カーン長編デビュー作、いかにもそれ風で、派手なカッコいいアクション、観客に「んなアホな!」とツッコミを入れるすきも与えぬ、目にも止まらぬ素速く細かいカット割り、見ている間にどんどん脳細胞の活動が停止していく見事な娯楽作品に仕上がっております。

 個々のカット、アクションはカッコいいし、登場人物がキメのセリフをいちいち吐くのもよい感じ、バイカーたちのホコリっぽくて汚い顔を、どアップで見せるのはマカロニ・ウェスタンっぽくてよいのですが、とにかく展開がめまぐるしすぎて、そんなに大急ぎで話を進めなくても…、もうちょっと落ち着いて! と言いたいくらい、アクションも何がどうなっているのかさっぱりわからなかったりします。

 例によってCG使いすぎ、オートバイで列車の屋根にとびのるアクションとか滅法カッコいいんですけど、ああ、これが昔の007みたいに、命がけスタントだったらなぁ、とつい思ってしまうのですよ。

 クライマックス、時速300キロまで数秒で加速できるという、「Y2K」なるモンスターバイクが登場しての市街地チェイスシーンは、安もんのテレビゲームみたいになったりします。しかしながら結構気持ちいいのは、監督ジョセフ・カーンの映像センス、小ワザの使い方でございましょうね。次回作が楽しみでございます。憶えておきましょう。ジ、ョ、セ、フ・カ、ー、ン、と。メモメモ。今回はMTV的演出を全編につらぬきとおしましたが、次回は、もう少し「緩急」をつけていただきたいものです。

 ともかく、近年まれに見るスピード感、キャラも立ってるし、アイス・キューブもおいしい役、ボインボインのお姉ちゃんも多数登場、意味なく濡れたTシャツ姿でバイクを洗ったりしますので、そういうのがお好きな方にもバチグンのオススメです。

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2004-Nov-6