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 Movie Review 2004・1月16日(FRI.)

劇場版とっとこハム太郎
ハムハムグランプリン
オーロラ谷の奇跡
〜リボンちゃん危機一髪!

 お話をかいつまんで申し上げますと(ネタバレ注意)、ご存知とっとこハム太郎がハムハムグランプリンに参加、リボンちゃんが危機一髪! で、オーロラ谷に奇跡が起こる! ババーン!

 それはともかく、ハムちゃんずが暮らす町に雪が降ったある日、仲良しのリボンちゃんが拉致され、オーロラ谷に軟禁されてしまいます。犯行に及んだのは幻のスノーハムたち。オーロラ谷は年々気温が上昇、雪が降らなくなってスノーハムは絶滅の危機に瀕しているのだ、雪を降らせるにはスノープリンセスの祈りが必要なのだ、リボンちゃんはスノープリンセスにソックリなので拉致されたのだ、という誠に身勝手な論理なんですけれど、幼児にも「北朝鮮拉致問題」、または「地球温暖化問題」をガッツリ理解してもらおう、というわけですね。って、んなことない。

 しかしここで物語は思わぬ展開を見せます。謎の海賊ハムクックが現れ、リボンちゃんがまたまた連れさらわれ、リボンちゃん返還運動が盛り上がります。ハムクックは、「ハムハムグランプリン」に勝ったら返還に応じると約束、リボンちゃんを賭けてハムハムグランプリンが今、始まるのであった! ババーン!

 さてこのハムハムグランプリン、ハムクックが勝つか? ハム太郎が勝つのか!? 丁々発止のレース展開は『ミシェル・ヴァイヨン』の 100 億倍の面白さ、先がまったく読めない展開に呆然と途方に暮れるのみ、ってハム太郎が勝つのがお約束ですけれど、それならそれでどのように勝つか? どのような窮地に陥るか? あるいはいかなる勇気・根性を発揮するか? がポイントになる…と思うでしょう? いやいやいや、そういうクラシックな作劇法、勇気、根性、汗、涙、友情、お伽噺的な教訓とは無縁な存在であり続けるのが『とっとこハム太郎』であり、お馴染みミニハムずの歌と踊り、ゲスト出演ゲッツハムが「ゲッツ! ゲッツ!」と騒いでいる間にハムクックが勝手に勝負を放棄する、というわけわかんなさ全開、理解不能、この辺が現代幼児にウケているのか? 私は、私と幼児の間に広がる深い断絶を呆然と思い知ったのでした。

 というか、なぜ私は『とっとこハム太郎』を鑑賞しているのであろうか? という根本的な問いに引き戻される。これについては、紙数が尽きたので、また日を改めて。

★★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2003-Jan-15;

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