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 Movie Review 2003・10月17日(FRI.)

インファナル・アフェア

公式サイト: http://www.infernal.jp/

 …とは、『エグゼクティヴ・デシジョン』あるいは『バーティカル・リミット』と同じくらいよくわからない題名ですが、“infernal”とは、“inferno”の形容詞にて、「地獄の出来事」。原題は『無間道』、冒頭、仏教の「無間地獄」についての講釈が垂れられ、つまりドツボにはまって抜けられない主人公 2 人の状況を表すようです。

 トニー・レオン(『HERO 英雄』好演)と、アンディ・ラウ(『ゴッドギャンブラー』シリーズ、『いますぐ抱きしめたい』)の香港 2 大スターが激突! 電機店で出会ったオーディオマニアの 2 人の男。T ・レオンは、潜入捜査官(アンダーカヴァー)、A ・ラウはマフィアが警察に潜入させたスパイ(スリーパー)であった。ババーン! 潜入捜査官のお話はゴマンとありますが、正逆の立場スリーパーを配したところがミソでございますね。

 香港映画お得意の大銃撃戦・命知らずアクションが繰り広げられるかと思いきや、終始ムーディに、2 人の主演俳優をいかにカッコ良く撮るか? いかにカッコつけさせるかに力点がおかれ、その分、話の転がりがモタモタする感じ、『友は風の彼方に』『狼たちの挽歌』のような「香港ノワール」に比べると物足りない、って、単に派手なアクションが見たかっただけなんですけれど、というか、「香港ノワール」は、小林旭などの日活アクションを下敷きにし、B 級・プログラムピクチャテイスト、客を喜ばせてナンボ、カッコつけても笑える、のに対し、この『インファナル・アフェア』は「A 級指向」「ムード指向」「大作指向」で、共同監督・共同脚本のアラン・マック氏は「脚本のリサーチと執筆に三年をかけました」と語っておられますが、パッと思いつきの企画でサッと脚本が出来、チャッチャッと撮った方が面白くなったはず、と一人ごちたのでした。

 そんなことはどうでもよくて、傑作『ジェネックス・コップ』のワイ刑事ことエリック・ツァンがマフィアのボス役で出演、凄みを効かせると笑えちゃうのが見どころ、T ・レオン、A ・ラウに加え、それぞれの若き日を演じる男優さんも男前、「ウホッ!」と喜ばれる方も多いのではないでしょうか。本作の前日談描く続編すでに香港では公開済みで、早く見たいかも? ともかく香港 2 大スターの激突を…というほどには激突しないんですけど、お見逃しなく。阪神・星野監督も「俺は泣けた」とオススメされております。

☆☆☆(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2003-oct-16;

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