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 Movie Review 2003・1月23日(THU.)

とっとこハム太郎
ハムハムハムージャ!
幻のプリンセス

 ハムハムハムージャ、ハムムージャ! と、ハム太郎が呪文を唱えれば、毎夜の夢でハムスターのお姫様が助けを呼ぶのだ。お姫様を助けに行くのだ! と、ハム太郎と仲間たち“ハムちゃんず”の大冒険が始まります! ババーン! …ってどうでもいいですか?

 公園の砂場から、よくわからない仕組みでハムージャ王国にたどりついてみると、そこは魔法猫サバクーニャが支配しており、ハムスターのシェーラ姫と無理矢理婚礼をあげようとしているのでした。

 おいおいサバクーニャさん、猫の分際でハムスターと結婚して何が面白いのかね? と疑問が湧きますが、ハム太郎も飼い主のロコちゃんに恋をしているわけですから、ハム太郎世界では、種の違う生物間での色恋は奇ッ怪な出来事ではないのであった。これがアメリカ映画なら、種の違いは人種の違いを寓意して何らかのイデオロギーを表象するところですが、さすが日本のアニメはそういう意図はないようで、そういうところが物足りないのですけど、そんなことはどうでもいいですね。

 悪い魔法つかいからお姫様を救い出す、というのは古典的というか神話的な筋立て、しかしシェーラ姫の性格が、わがまま、尻軽、傲慢であるところが現代的だったりするのが面白いかもしれません。って、こういう「魔法つかいとの戦い」においては、ロールプレイングゲーム的な筋立てが必要で、魔法つかいの弱点の情報収集、アイテムの入手などのプロセスをきっちり描いた方が面白くなると思うのですけど、それは大人の考えでしょうか?

 というか、サバクーニャは魔法を使うのですが、どういう能力を持っていて、どういう限界、弱点を持っているのかを明らかにしていただかないと、スリルもサスペンスも生まれないと思うのです。「ハムスターを羊に変える」という現代バイオテクノロジーも真っ青な能力があるなら、何でも思い通りにできる、ハム太郎は何をしても無駄のはず、…ってそれは大人の考えでしょうか? というか、子供さんにも余りウケてなかったと思うのですけどいかがでしょうか?と、放った疑問は電脳空間をあてもなく彷徨うのであった。

 この映画を見て、私は、『長靴をはいた猫』がいかに素晴らしい映画であったかを呆然と思い知ったのでした。とはいえ、狂騒的にテンポが速いので、ボケーッと思考を停止してトリップするにはいいかもしれません。『ウェイキング・ライフ』と双璧です。知りません。ハムハムランドの人気者“ミニハムず”にまた会えるのでオススメなのだ。

☆☆(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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