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 Movie Review 2003・1月18日(SAT.)

CQ

公式サイト: http://www.cq-j.com/

 フランシス・コッポラの息子・ローマン・コッポラは MTV やテレヴィ CM を撮っていたそうですが、満を持してかどうかは知らないけれども堂々の長編映画デビューです。時代設定は 1969 年のパリ、主人公ポールは映画の編集者で、監督昇進を夢見ており、自作の「シネマ・ヴェリテ」風自主映画を撮影しながら、『ドラゴン・フライ』なる近未来(2001 年)を舞台にした商業映画に関わっております。『ドラゴン・フライ』の監督(ジェラール・ドパルデュー)とプロデューサーが衝突、ポールは監督に抜擢されるのですが…。ババーン! という、いかにも映画好きの初監督作品らしい凝った筋立てになっております。

 ポールの自主製作映画がゴダールとかミケランジェロ・アントニオーニ風だったり、架空の SF 映画『ドラゴン・フライ』は『バーバレラ』風だったり、はたまた映像スタイルはリチャード・レスターとかウィリアム・クライン作品を髣髴とさせたり、と、映画好きなら大喜びの仕掛け満載というか、パリ、フレンチポップ、おまけに主人公がナイーヴを装いつつもちゃっかり『ドラゴン・フライ』主演女優に手をつける図太さも持ち合わせるキャラクター設定など、「京都系」な方も大喜びなのではないでしょうか。よく知りません。

 それはともかく 69 年〜 70 年代のパリを再現するヴィジュアルはカッコいいようでいて微妙な感じ、というかゴダール、リチャード・レスター、ウィリアム・クラインなどのリヴァイヴァルが一巡した後では「なぜに今頃?」と思われやしないかと冷や冷やです。

 というか、1969 年当時の映画状況を回顧しておりまして、作家主義と商業主義の対立という図式が提示されますが、あまりにもステレオタイプな描写にしゅるしゅるとしぼんでしまいそうです。というか、単なる懐古趣味というか、なぜ今 1969 年なのか? というところが今イチよくわからないのでした。

 そんなことはどうでもよく、『ドラゴン・フライ』の主演女優を演じるアンジェラ・リンドヴァルはさすがのモデル出身、イチイチカッコいいのでオススメです。タイトルの『CQ』の意味がさっぱりわからなかったのですが、“Seek You”のことやそうですわ。だから何?

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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