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 Movie Review 2003・1月15日(WED.)

8人の女たち

『まぼろし』でのシャーロット・ランプリング礼讃演出で信頼を得たのか、カトリーヌ・ドヌーヴ、ファニー・アルダン、イザベル・ユペ−ル、エマニュエル・ベアール、ヴィルジニー・ルドワイヤンなど、フランスを代表する女優さんの大挙出演を得て、フランソワ・オゾン監督が「映画好き」ぶりを炸裂させたミステリーでございます。

 8 人の著名女優の共演、アガサ・クリスティ風の雪に閉ざされた屋敷での殺人、さらに 8 人が自らの心境を既成曲に託して歌い上げるミュージカルシーンと、ワクワクドキドキの娯楽作に仕上がるはずが、何せ根は暗いフランソワ・オゾンなものですから、「家族の確執」が次々と明らかになる暗い話をドロドロと語られるとなんだか「どうでもいい映画」となり、ストーリーに対する興味も消え失せてしまって「意外な真相」もどうでもよく、ただ女優さんのファッションをジッと眺めることになるのですが、そもそもファッションなんてどうでもいいのですぐに見飽きて一体どうすれば良いのでしょうか? って 8 人の著名女優さんの素敵なファッションと歌と踊りだけで大満足できる方もおられるでしょうし、ついつい家族の裏側をのぞき込んでしまうのがフランソワ・オゾンっぽくてよい、とも思いますけど。ってか、「こんな話になるとは…」と呆然と立ちつくす 8 人の女たちの姿に私も呆然と途方に暮れたのでした。

 と、いうか、とりあえず末娘が「探偵」役となって事件の解明にあたるのですけどね、末娘自身も怪しく描かれるとですね、探偵不在のミステリーとなってしまうのですね。それはどうでもいいのですが、例えばヒッチコックの映画では、ミステリーであっても大抵物語の中盤過ぎで犯人を明かしてしまうのですが、それは最後まで犯人を伏せておくと観客の興味がそちらに偏ってしまって“エモーション(感情の流れ)”が生まれてこないから、なんてことはどうでもいいのですが、ヒッチコックは偉いなあ、観客の気持ちをよくわかっていたなあ、と一人ごちた。

 フランス大女優の共演は「事件」だそうなので、自称・映画好きの方は断固必見です。

☆☆(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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