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 Movie Review 2003・1月9日(THU.)

火山高(吹替版)

公式サイト: http://www.kazanko.com/

『マトリックス』『少林サッカー』が端緒を示したように、誕生 100 年を迎えた映画の課題は「日本の漫画表現をいかに取り入れていくか」であることに異論はなかろうが、韓国で「不良番長漫画」(何?)をネタにした作品が登場するとは、まったくたまげたのであり、「なぜ、日本でこのような作品が作られぬのか?」と慚愧に耐えない事態、しかしわが邦画にも「不良番長漫画」を原作にした傑作『ビーバップ・ハイスクール』『嗚呼! 花の応援団』があるにせよ、アンニョンハセヨ(意味なし)、それらは漫画を原作にしてはいるものの別に漫画が原作でなくても構わない普通の映画なのであって、例えばスーザン・ソンタグさんが「日本人は大人が電車でコミックを読むほど幼稚」と批判したように欧米では「漫画は子供さんが読むもの」というのが一般的な認識で、翻って日本人は大人が漫画を読むのはごく当たり前の営為とは言え、こと表現の現場に関して「漫画」は「映画」よりも位が下と考えられており、日本における「漫画の映画化」は、いかに漫画を換骨奪胎して映画表現に移し替えるかに腐心されるので、この『火山高』のようにストレートに漫画を映画にしてみました、という邦画はなかなか生まれないのである。

 そんなことはどうでもよく、今回拝見したのは「日本語吹替版」であるが、ではさて「字幕版」はどこで見られますかと問うてみても、京都ではどこでもやっておらず、いや近頃は戸田奈津子氏の字幕が悪評紛々だった『ロード・オブ・ザ・リング』のように、日本語吹替版の方が面白いケースも多々あり、何が何でも字幕版でなくては嫌だとは申しませんが、吹替版しかやっていないのは困る。しかもどうも吹替が寒い。寒いだけでなく日本向けに再編集されているようで、派手なシーンの連続なのは良いのだけれど、伏線や何かが全てすっ飛ばされてしまった印象を受ける。って字幕版をご覧になった皆さん、どうでしたか?

 武術の圧倒的な達人である主人公が、暴れてしまってはまた退学になってしまう、家族の期待に応えるためジッと我慢した後に暴力を爆発させるカタルシスこそがこの映画の魂であることが伺えても、「なぜ、我慢せねばならぬのか?」が(吹替版では)存分に描かれていないために、ただの見せ場の連続に堕した。

 隣国・韓国の映画が封切られることは喜ばしいことですが、「日本人向け」に再編集しては駄目なのではないでしょうか。よくわかりません。

(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA

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