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 Movie Review 2002・5月15日(WED.)

ロード・オブ・ザ・リング
 字幕版

 魔法が支配する世界、魔術師、剣士らででパーティを構成し、難題をクリアしながらゴールをめざす…あらゆるロール・プレイイング・ゲームの元祖にて、『ダンジョン・アンド・ドラゴン』など(しょうもない例ですいません)様々な映画の物語原型となっているトールキンの原作を、なんと『さまよう魂たち』のピーター・ジャクソンが堂々の映画化。

 原作の読者からも好評を得ているようで、戸田奈津子氏による字幕がなっちょらん、原作の精神を全く理解しておらん、吹き替え版を見よ…とか色々話題を呼んでおりますね。

 私の場合、原作は読もうとして投げ出し、ラルフ・バクシによるアニメ映画化(1978)は見たけど、何だかよくわからなかった。そんな私ですが、3 時間近い長尺なれど見どころ満載、息をもつかせず大満足! …と言いたいのは山々ですが、…すいません、ダメでした。いや、映画がダメなのではなく、私がダメなのは重々承知しておりますよ。

 そもそも私、何度か『ドラゴンクエスト』などの RPG ゲームをやろうとしても、何が面白いかよくわからず、Nintendo64 なぞ買ったので『ゼルダの伝説 時のオカリナ』はちょろっとやったりしたんですけど、最後までクリアすることもなく…と、どうも RPG 的世界が苦手なようであります。

「映像が凄い」とも言われておりますが、私ね、最近コンピュータグラフィックスが苦手でしてね、「CG が使われている!」と悟った途端にスーッと興奮が薄れてしまうのです。いや、スタントの命綱を消す、くらいなら良いんですが、CG が使われる程に映画の魅力の一つである「事件性」(何?)がどんどん消えていくように思うのですね。映し出されるニュージーランドの風景は圧倒的なんですが、CG による加工が見え隠れすると、へなへなへなと萎えてしまうというか。

 さらに、トールキンの原作は北欧の神話などを参照しているそうですが、ヨーロッパから見た辺境の地とはアフリカであり、悪い魔法使いにあやつられる土人どもはやはり黒人の寓意でしょう? あからさまに黒人として描かれているわけではないですが、この扱いはないんじゃないか? むしろ『スター・ウォーズ』シリーズのランド・カルリシアンやサミュエル・L ・ジャクソンのようにですね、ちゃんと善玉(旅の仲間)に黒人をキャスティングするべきではないか。と、最近黒人に共感を感じがちの私は思うのです。難クセをつけてしまいましたー。

 とまれ、これを見ておかなければ今後公開される続編・続々編が楽しめませぬ。やっぱり劇場の大画面で見ておきましょう、という感じのオススメ。いや、CG とか凄いそうです。楽しめなくて残念でしたー。あ、吹き替え版を見ればいいのでしょうかね? やっぱり。

☆☆★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-May-15;

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