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 Movie Review 2002・5月13日(MON.)

陽だまりのグラウンド

 キアヌ・リーヴス演じるのは、ギャンブル狂のダメダメお兄ちゃん。借金取りに追いかけ回され、「何とか収入を得ねば!」と週休 500 ドルの少年野球チームのコーチの職を得ます。やる気なしコーチを続けるキアヌですが、子供たちが通う学校の先生がたまさか美人の年増で(ダイアン・レーン)、美人先生の関心を得るべく奮闘…と、ダメチームとダメコーチが頑張っちゃうアメリカ映画王道ストーリーで、「なんだかなー」感漂いますし、監督は寝惚けたフットボール映画『バーシティ・ブルース』のブライアン・ロビンスで、ツッコミどころ満載、ところがこれがどうしてどうしてなかなか良いのですよ。

 チームはむーちゃくちゃヤバい黒人地区にあって、子供たちをとりまく環境はヘヴィなものです。下校中に銃声がダーンと響くと少年はすかさず「ありゃあ、グロックの 9mm の銃声だな」…と平然とつぶやくくらいで銃撃戦は当たり前。マンション前にはいかつい黒人ブラザーがたむろし、クルマを燃やして暖を取る、うう、恐過ぎ。マンションの部屋で家族たちは皆、地べたに座って生活しています。なぜかと問えば、「窓から顔が出ると、流れ弾に当たるから」…うーん、スゴい。

 そういう環境にあって、黒人少年たちは一瞬の生の輝きを得るために野球に打ち込みます。キアヌも、コーチを続けることで人生の意味を見出していきます。ううう。思い出しただけで泣けてきましたー。ことに、生まれて初めて生のプロ野球の試合を見て、感激しまくる少年たちの姿に、私は滂沱たる涙を流したのでした。

 少年たちのイキイキとした表情が素晴らしく、キアヌもボンクラぶりを発揮して好感度アップの最高の演技、メロウなヒップホップ主体の音楽も快調にて、何か、脚本に穴があるような気がしますが気にしません。

 いやー、泣けた泣けた。泣きたい方にバチグンのオススメです。MOVIX 京都で上映中。

☆☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-May-13;

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