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 Movie Review 2002・12月25日(WED.)

スカーレット・
ディーバ

 ダリオ・アルジェントの娘、『トリプル X』のヒロイン、アーシア・アルジェントが主演・脚本・監督で描く、架空の女優アンナ・バッティスタのセックス、ドラッグ、ロケンロールの日々。

 アンナ・バティスタは、監督進出を狙うセクシー系女優、というわけで、アーシア・アルジェントの自伝的要素もあるそうです。ローマ、パリ、ロサンゼルスと世界をテンテンと駆けめぐり、セックスとドラッグに明け暮れますが、常に満たされないものを感じている。何となれば、「セクシー系」の女優と見なされることに嫌気がさしておりまして、セックス目当てで近寄る阿呆どもを見返すためにも、自分で脚本・監督して映画を撮らねばならぬのである。しかしながら、エージェントはセクシー系女優の仕事しか取ってこない。ロックンローラー、カークと出会い、「この人は、私をヤリマンと思ってない!」と恋に落ちるも、結局ポイ捨てされたり。

 アンナは、世間が持つ「アンナ・バティスタ」像と、自身が持つ「本当の自分」像のギャップが大きいがため、表現意欲を噴出させる、というわけですな。本当の自分とは、「アーティスト」「愛を求める多感な少女」なのですけれど、実際はセックス & ドラッグまみれの日常で、やれやれーしょうがないなー、って感じで、アーシア・アルジェントの自己を客観的に見つめる視点もあってユーモアが漂い、「オレ様」映画になりかけのところを救われているのでした。いやはやてっきり痛い映画かと思いきや、です。

 まあ、「ロバート・デ・ニーロと共演させるから、やらせろ」と言い寄る好色大物プロデューサーとか、紋切り型なキャラで痛いんですけど、とりあえずは 100 %アーシア・アルジェント、『トリプル X』で彼女に興味をわかした方は見てくださいな。いかにもイタリア映画的な(?)エロも満載ですんで、お楽しみいただけるのではないでしょうかー。オススメなり。

☆☆★★(☆= 20 点・★= 5 点)

BABA Original: 2002-Dec-25;

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